■生活にもっと緑を! 庭やベランダが綺麗で気持ちよくなるコツを、ノースウエスト園芸部長こと小杉晶子さんに教えてもらいます。小杉さんについて »
(2022年9月)
秋になると、日本のニュースで映し出されるコスモス畑がうらやましくなります。ノースウエストのどっかの自治体でやってくれないかしら、コスモス畑。
2020年3月、コロナが全米で広がり、全ての人が凍り付くような時間を過ごしました。しかし3月は、園芸界が忙しくなってくる季節。苗、土、マルチの購入など、園芸店を走り回りたいのに多くの店が閉まり、ガーデナーたちは右往左往していました。多くの人が初めての経験をして、不安な時間を過ごしましたね。
私は花が手に入らなくなるのではと不安に思い、スーパーの一角に置いてあるコスモスの花の種をたくさん買ったのです。まだ寒い4月、室内でコスモスを育て始めました。今まで好き放題に買えた花や植物が買えなくなる経験をして、種から育っていくコスモスがとても貴重に思えました。順々に大きな鉢へと移し、最後に花壇に植えたのが6月頃でしょうか。大きな蕾が出てきて、まだ曇り空が残る朝に「ふわぁ」と咲いたのが、なんと不思議なコスモスでした。「あれ?突然変異でこんな花びらになったのかな?」と調べたら「カップケーキ」という品種でした。八重咲のようなコスモスです。当時、BML、感染、経済停滞などで重い空気でしたが、このかわいコスモスが心を癒してくれました。
この地域では、コスモスは5〜9月ぐらいまで咲いています。鉢植えでも育てられるので、ぜひ試してみてください。
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▲こちらが花びらが幾重にも重なったカップケーキコスモス。フワフワでかわいい花を咲かせます。
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▲ メキシコ原産で、日本でも人気のキバナコスモス。意外にもノースウエストでは、なかなか見かけることがありません。
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▲園芸部長宅の庭のパンデミック時のコスモス。
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▲「コスモス・ミックス」という種を植えると、さまざまな種類や色のコスモスが生えてきて、楽しい庭になります。
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▲こちらも「コスモス・ミックス」の種で生えたコスモス。
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コスモスは種から簡単に育てられます。3月:室内の窓辺で種まき。4月:少し大きなポットに移植。ビニールハウスがある場合はそこへ移動。5月:日の当たる花壇やもう少し大きな鉢に植える。夏:開花。一年草なので、来年また種をまいてください。
サウスシアトル・コミュニティー・カレッジで園芸学の学位を取得。現在は、剪定家として庭園や個人の庭の手入れを行う。趣味はバードウォッチング。