■生活にもっと緑を！ 庭やベランダが綺麗で気持ちよくなるコツを、ノースウエスト園芸部長こと小杉晶子さんに教えてもらいます。小杉さんについて »
（2023年10月）
10月に入り、ノースウエストの街路樹がとても美しくなってきましたね。赤やオレンジ黄色に黄緑とパッチワークのように鮮やかに街を色付けてくれます。ノースウエストの山々に自生する紅葉は黄色が多いので、日本のように鮮やかとは言い難いですが、街中に植えられている多様な品種の街路樹は、色鮮やかできれいですね。
車を走らせると、ひときわ真っ赤に色付く木が目に付きます。その名も「ベニカエデ」。公園、街路樹、学校、図書館などで好まれています。日本の紅葉は繊細な美しさですが、こちらは真っ赤に燃える力強さを感じる美しさです。東海岸から南部にかけて自生しています。
街路樹に選ばれる樹木は、とても選び抜かれた木なんですよ。歩道という土の環境も悪く、コンクリートやアスファルトの多い中で生きていかなくてはなりません。そのため、乾燥や病気に強く、街のメンテナンス上、実をたくさん付け過ぎないなど、いろんなハードルを越えて選ばれた木々たちなのです。ベニカエデは湿地でも育つ強い木なので、Swamp Mapleとも呼ばれ、このように街路樹に使われています。
個体によって深い赤になったり、赤、黄、オレンジ、黄緑と色付いたり、落ち葉も五色のカーペットになったりして、私は、よく犬の写真を撮りました。子どもや家族の写真を撮るなら、秋はぜひベニカエデの下で！
▲夏の間のベニカエデの葉っぱはこんな感じです。
▲ベニカエデは園芸品種がたくさん出ているので、多少、葉の形や色が違ってくるのもあります。緑やオレンジ、赤、黄色と色が変化するものもあります。
▲早いものは、9月頃から色が変わり始めてきます。
▲街路樹のベニカエデ。さまざまな土で育ち、乾燥に強く、虫や病気も少ない強い樹木です。
▲落ち葉も見事にきれいで写真に映えます。
ベニカエデの学名はAcer rubrum（ラテン語で「もみじ一族の赤」という意味）、英語名はRed Maple。成長が早く大きく育つので、広い敷地の家にはお勧めの庭木となりますが、鉢植えや盆栽でも育てることができます。
サウスシアトル・コミュニティー・カレッジで園芸学の学位を取得。現在は、剪定家として庭園や個人の庭の手入れを行う。趣味はバードウォッチング。