■生活にもっと緑を! 庭やベランダが綺麗で気持ちよくなるコツを、ノースウエスト園芸部長こと小杉晶子さんに教えてもらいます。小杉さんについて »
(2024年11月)
寒くなってきましたね。晴れ間を縫って散歩していると、雑木林やご近所の庭、公園などに、ひときわたくさんの赤い実を付けている木を目にしたことはありませんか? ヨーロピアン・マウンテンアッシュ(ヨーロッパナナカマド)といって、ヨーロッパからの外来種ではありますが、ここノーウエストの環境に適し、あちこちで繁殖しています。ナナカマドといえば北海道や東北出身の方には、なじみがあるかもしれません。同じナナカマド属で親戚のようなものです。ヨーロピアン・マウンテンアッシュは、ノースウエストでは夏の終わり頃から実が赤くなり始め、11月頃に黄葉になり、ゆっくりと実が熟していきます。
1月、実が熟して発酵してきた頃、鳥たちがついばみに来ます。よく見ていると、たくさん実を食べたロビンが酔っぱらって、木からボターッと落ちていきます。最初見た時は、毒か何かで死にかけているのかと思いましたが、どうやら発酵した実を食べて酔っぱらっているそうです。特にロビンやキレンジャクが影響されやすく、ぼたっと落ちているようですね(下戸?)。
ノースウエストでも自生しているマウンテンアッシュがあります。10、11月頃にノースカスケード山脈の山肌を赤や黄色に染める灌木の一つ、シトカ・マウンテンアッシュです。そして、これらが葉を落とすとカスケードに雪が降り、ノースウエストの晩秋がやってきます。
▲ヨーロピアン・マウンテンアッシュの実。
▲マウンテンアッシュの葉は、黄色に変わります。
▲どこにでも生えるマウンテンアッシュ。
▲マウンテンアッシュの木の上ではロビンがよくパーティーやっていますね。酔っぱらうのもほどほどに…。
▲シトカ・マウンテンアッシュの実。
▲ノースカスケードのシトカ・マウンテンアッシュ(左下の赤い部分)。標高の高い場所に自生します。カスケードに雪が降ると晩秋となります。
ヨーロピアン・マウンテンアッシュ(英名European mountain ash/学名Sorbus aucuparia)は、鳥の糞の中にある種からよく発芽します。放っておくとどんどん育つので、嫌な方は、庭で見付けたらどんどん抜いていきましょう。
サウスシアトル・コミュニティー・カレッジで園芸学の学位を取得。現在は、剪定家として庭園や個人の庭の手入れを行う。趣味はバードウォッチング。