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真っ赤なポインセチアの話

生活にもっと緑を! 庭やベランダが綺麗で気持ちよくなるコツを、ノースウエスト園芸部長こと小杉晶子さんに教えてもらいます。小杉さんについて » 

(2024年12月)

暗くて墨絵のようなノースウエストの12月ですが、毎年クリスマスの赤のデコレーションに心救われる時期でもあります。園芸界では、毎年ポインセチアの品種がたくさん改良されて、赤、白、ピンク、オレンジと見ていても楽しいですね。

クリスマスのシンボルのようですが、メキシコ原産の灌木です。メキシコには写真のように大きく育つポインセチアがあるそうで、私もメキシコに住む知人からの写真を見てびっくりしました。

あの赤い所は苞と呼ばれるもので、気候の違う地域では、商業用に日照時間を管理(短日処理)して、クリスマス時期に合わせて赤くなるようにしています。以前、園芸学プログラムの「温室栽培」のクラスで、ポインセチアのビニールハウスへ見学に行ったことがありました。大きなハウスにたくさんのポインセチアが並んでいて、天井・窓には真っ黒いカーテンが引かれていました。この赤みを出すには、暗い状態を12時間、これを2カ月ほど続けなければなりません。

以前、私もクリスマス後のポインセチアをそのまま植木鉢で育てていて、水をしっかりやっていると、春、緑の葉をわさわさ付けて元気に育っていたので、「短日処理やってみる?」と試したことありますが、赤くなりませんでした。というか毎日段ボールを被せたり、取ったりが、なにより面倒くさい。お時間のある方、忍耐のある方は、どうぞ試してみてください。


ポインセチア
▲ポインセチアの真ん中の小さくて黄色い部分は実ではなく花です。
ポインセチア 新しい緑の葉
▲クリスマス後、古い葉が落ち、春には新しい緑の葉が出てきます。短日処理をしなければ緑のまま。


木のようになるポインセチア
▲メキシコで自生しているポインセチア。木のようになる姿にびっくり。
ピンクや白い色も短日処理で
▲赤や白、ピンクなど毎年いろんな品種が出てきてます。ピンクや白い色も短日処理で出します。
ポインセチアはh木鉢でそのまま、春、夏も育てられます
▲心が温かくなる真っ赤なポインセチア。植木鉢でそのまま、春、夏も育てられます。


たんじつしょり【短日処理】』(園芸用語):花の咲く時期や葉の色を調整するために、日照時間を短くすること。ポインセチアをはじめ、シャコバサボテン、カランコエなどでも行います。

●文・小杉晶子

サウスシアトル・コミュニティー・カレッジで園芸学の学位を取得。現在は、剪定家として庭園や個人の庭の手入れを行う。趣味はバードウォッチング。

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