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歯ぎしりが起こる理由と予防法、影響などを教えてください。

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歯ぎしりが起こる理由と予防法、影響などを教えてください。

< 回答者|歯科医 西川ノーマン先生>

「歯ぎしり」のことを正しくは「ブラキシズム(Bruxism)」と言いますが、これは大きく3つの種類に分けられます。
?グラインディング:上下の歯を咬み合わせたまま左右に横滑りさせ、「ギリギリ」と音をたてて擦り合わせる。
?タッピング:物を食べているかのように上下の歯を打ち合わせ、「カチカチ」と音をたてる。
?クレンチング:上下の歯を咬み合わせたまま食いしばる。あまり音は出ない。

歯ぎしりは、歯の出てくる位置、咬み合わせ方、咬み癖、生活環境、心因的問題(ストレス)などのさまざまな因子が関与するものなので、その程度にはかなり個人差があります。それと同様に、歯ぎしりによって生じる影響にもそれぞれ違いが出てきます。よく見られる影響としては、歯の異常摩耗、疼痛(ずきずきとした痛み)、偏頭痛、肩凝り、顎関節の疼痛などが挙げられます。また、頬、唇、舌などへの歯列の圧痕(頬や唇に噛み後のような歯形が付いたり、舌の左右に波のようなでこぼことした歯形が残ること)も影響として現れます。

歯ぎしりは睡眠時間中など、患者さん自身の意志ではコントロールできない時に起こるものなので、予防はほとんど不可能ですが、治療法として一般的なのは、『ナイト・ガード』と呼ばれるマウス・ピースのようなものを就寝前に装着することです。これは歯ぎしりの音や歯の摩耗の防止、顎の負担を分散させるなどの作用があり、最も効果的とされています。通常、歯科医院で歯形を取って作ってもらいます。また、原因がストレスなどの心因的問題の場合もあるので、それを取り除くことも大切な治療法のひとつです。

歯ぎしりは、歯が異常にすり減るだけでなく、歯茎や顎にも壊滅的な影響を及ぼすことがあります。まずは、噛み合わせに詳しい歯科医院で診査を受けることをお勧めします。

(2004年10月)

歯科医 西川ノーマン先生


「親切・丁寧」をモットーにベルビューで開業。経験と実績は20年以上。患者対象は子供~大人までで、患者全体の60%が日本人で占められているという、まさに“日本人が安心できる”クリニック。日本語ができるスタッフ、日本人のデンタル・アシスタントがいるほか、日本語による問診票も揃う。ワシントン大学歯学部卒業。

Norman H. Nishikawa, D.D.S.