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30代、出産経験なしです。最近、生理が長引き血液の量も増えたのですが……。 |
< 回答者|産婦人科医 倉地晶子先生>
30~40代で、生理に変化を来たす女性は多く、産婦人科医として、外来でも生理がひどくなったという相談をよく受けます。その際はまず、生理の量や日数、普通の生理日のほかにも出血があるかどうかを確認します。アメリカでは、婦人科検診 (Annual Exam) の時にはいつも生理の様子を伺っています。
生理がひどくなる理由には、①子宮の状態が年齢で変化していくこと、②女性ホルモンのバランスが変わっていくことなどが考えられます。
①の場合、子宮に筋腫やポリープができることがよくあります。筋腫は子宮体からできる筋肉のかたまりで、30代の女性に非常に多く見られます。この年代になると、一般女性の3人にひとりは子宮筋腫を持っており、筋腫の大きさや場所によって生理に影響することがあります。ポリープは、子宮内にできる小さいできもので、こちらも生理に影響を及ぼします。筋腫やポリープを見つけるには、超音波検査(Ultrasound)を行いますが、これは婦人科検診の際に見つかることも多いです。治療は手術で切除するか、または薬を使って生理の量や回数を減らす方法もあります。子宮検査に異常がない場合は、女性ホルモンのバランスが崩れているケースが考えられます。脳から卵巣へのシグナルが一致せず、通常通り発卵できなかったり、意外なストレスや、体重が急に変わった時などは、女性ホルモンのバランスが崩れやすくなります。こちらのケースの治療としては、もし出血があまりにも多い場合は薬を使います。この薬は避妊用としても使われるものですが、生理のコントロールにも非常に役立ちます。そのほかの方法もありますので、詳しくは婦人科医におたずねください。
アメリカでは、毎年婦人科検診を受けることが習慣になっています。それは、子宮と卵巣だけでなく、乳ガンの発見や女性の健康を守るための検診でもあります。生理による出血で、貧血になる方も多く見られます。もし生理や婦人病関連の心配がある際は、必ず産婦人科医や婦人科のナースにご相談ください。
(2008年4月)
産婦人科医 倉地晶子先生
シアトル生まれ。日本人の両親の下、日本語補習学校で日本語を学ぶ。マサチューセッツ工科大学卒業後、ミシガン大学医学部を経て、4年間ワシントン大学で産婦人科の専門医の研修を受ける。
Kurachi, Akiko, MD / Poly Clinic
TEL: 206-860-4541 ウェブサイト:www.polyclinic.com
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