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ぎっくり腰を繰り返してしまいます。対処法を教えてください。 |
< 回答者|カイロプラクター 門屋智子さん>
まず、ぎっくり腰になりやすいのは運動不足の人で、特に座っていることが多い人。普段から車の運転を長時間する人や、デスクワークで座りっ放しの人は要注意です。
腰への負担を少しでも軽くするために、背筋を真っすぐにして座るのはもちろんですが、あごを引き、肩を自然に下ろし、足を組まずに座ることも大切です。
前かがみに座ると腰への負担が大きくなり、ぎっくり腰だけでなく頭痛や肩こりの原因にもなります。30分に1回は立ち上がって歩いたり、ストレッチをすると効果があるでしょう。特に腹筋と太ももが弱いとぎっくり腰になりやすいので、その辺りを普段から鍛えておくと予防になります。
ぎっくり腰になる直接の原因でいちばん多いのは、重い物を持ち上げようとした時です。重い物の正しい持ち方は、まず膝を曲げて座り込み、膝と太ももに力を入れて垂直に持ち上げます。スクワットをしているところをイメージすると良いと思います。ただし持ち上げている最中は、左右に腰をひねらないように注意してください。
また、意外に多いのが新しいスポーツを始めたばかりの時にぎっくり腰になるケースです。これは準備運動をしっかりすることと、また運動後にもストレッチなどを十分にしていれば、たいていは防げます。普段から運動不足の人は突然頑張らずに、徐々に体を慣らすようにしてください。
もしもぎっくり腰になってしまったら、まず安静にすることが第一です。できるだけ横になって過ごしてください。いすやベッドから起き上がったり、車への乗り降りをしないといけない時は、腹筋に力を入れながら動作を行うと多少楽になります。最初の数日は、温めるのも冷やすのもお勧めできませんが、どうしても痛い場合は軽く冷やしてください。そして、数日経って痛みが引いてきてから温めると良いでしょう。
軽い場合は、特に治療しなくても数日で治りますが、そうでない場合や日に日に悪くなるような場合、また、足にしびれが出てきた場合などは専門家に相談しましょう。
(2009年7月)
カイロプラクター 門屋智子さん
1998年に渡米。2006年にウエスタン・ステイツ・カイロプラクティック大学を卒業し、免許を取得。現在はオレゴン州のタイガードでカイロプラクティックのクリニック、「サンライズ・ナチュラル・ヘルス」を開業。高齢者介護施設でリハビリ運動を教えるボランティアも行っている。
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