疲れや無気力感も、マッサージで改善できますか？

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疲れや無気力感も、マッサージで改善できますか？

＜ 回答者｜米国公認マッサージ師、整体師、レイキ・ティーチャー　植田詠子さん>

心と体は密接に関係し合っているので、体が不調な時は自分らしく輝いていることが難しくなります。またその逆に、心が緊張状態の時は免疫力が落ち、胃腸の問題を引き起こすことがあります。このように、心と体は別々に存在するものではなく、いつも互いに影響し合っているのです。そのことを、頭による理解を超えて、深いところで実感している人は少ないように思います。

体は感情を記憶すると言われています。日々の暮らしの中で、不安や恐れ、怒りや悲しみなどのストレスを感じた時、その都度うまく解消できれば問題ないのですが、ぐっと堪えて自分の中に閉じ込めてしまうと、マイナスの感情は体に残ります。整体学では、胸椎8、9、10番の右側に怒りの感情が隠されると言われ（背骨に近いほど古い）、触れるとコブのように硬直した状態になっています。体の硬直をそのままにしておくと、臓器を萎縮させ、さまざまな病気を引き起こす原因になります。そのような「詰まり」「毒」といった不要なものを洗い流して、心身共にクリアな状態にするにはどうしたら良いのでしょうか。

まずは体の声に耳を傾けてください。体は思考よりもずっと正直です。自分の体を内側から感じ、気付きを深めていくことが、心身における癒しのプロセスになります。

体からアプローチするマッサージ療法は、潜在意識を呼び起こすため、心理療法に比べると理性や建前を通り越したダイレクトな反応が返ってきます。施術をしていると、「触れられて、初めて背中が凝り固まっていることがわかった」「自分がこんなに疲れていたなんて知らなかった」「悲しくもないのに自然に涙が出てきた」という言葉をよく耳にします。体に触れられることで身体感覚を取り戻し、施術の最中あるいはその夜の夢の中で、抑圧された感情が解放されるのだと思います。体内の毒素が排出されるのと同時に、感情面での排出が起きることはよくあるので、そういう時は抑えず感じるままにしてください。体の緊張がほぐれると同時に心も軽くなって、自分自身のことや現在の状況を客観的に見つめ直す余裕が生まれ、元気な自分を取り戻せるでしょう。

（2010年1月）