シアトルの生活情報&おすすめ観光情報

以前、インビザラインでの歯列矯正は難しいと診断されてしまいました。

さまざまな分野の専門家が読者の皆さんの質問にお答えします。

以前、インビザラインでの歯列矯正は難しいと診断されてしまいました。

< 回答者|歯科医 高本建雄さん五十畑諭さん>

インビザラインは、あまり気付かれず、目立たないマウスピースのような歯科矯正装置を装着して行う、歯列矯正の一種です。この矯正方法では、10年ほど前までは簡単なケースのものしか治療できなかったため、今でもそのように思っている歯科医や矯正専門医もいるかもしれません。相談者の場合は、そのような理由から治療が難しいと診断されてしまったのではないでしょうか。

インビザラインの治療法として、専用のマウスピースを口に入れれば、歯がシミュレーションのように動いていくと思っている人もいますが、実はこの数年間でインビザラインは大きく変わりました。
この治療法は年々進化を遂げ、最先端の技術で開発され続けているので、ソフトウェアが大幅に改善されるにつれ、歯科医師は新たな知識の習得が必要です。

ほかにも、経験や研修、治療方針の組み立て、デザイン、症例に沿った適切な指示などが要求されます。また、必要に応じて臨床補助装置(例:輪ゴムなど)を組み合わせないと良い結果が得られないのが現状です。これらの技術の進歩についていけなくなり、ブレス法に戻った歯科医や矯正専門医は多いようです。
ブレス法は、歯列矯正の治療法として従来用いられてきた矯正方法ですが、金属ワイヤーを歯の表面に装着して行うため見た目も一目瞭然です。取り外しができないため、食事やブラッシング・フロスをする際などに不便だと感じる方が多いようです。

インビザラインは、マウスピースを自分で着脱でき、食事の際は外して良い点も支持されている理由のひとつです。

機能面でも、インビザラインはブレス法では難しい症例の治療が可能な場合もあり、治療期間もブレス法より短くて済むことが多いです。当医院の場合は、難しいと言われている不正咬合治療にも対応しています。
相談者のような症例も現代の技術ならインビザラインで治療できる可能性がありますので、1度セカンドオピニオンを受けることをお勧めします。

(2011年4月)

歯科医 高本建雄さん


顎関節症、不正咬合による頭痛、口腔粘膜病変、歯科矯正などの専門医資格を保持。歯科医院を開業するかたわら、ワシントン大学歯学部で臨床指導を行う。先日実施された北米規模の矯正症例コンペティションにて、インビザラインの治療法としてはこれまで考えられなかった症例が評価され、ベスト16に選出された。

Kenyu Takamoto DDS., MSD
1811 156th Ave. NE, #1, Bellevue, WA 98007 TEL:425-746-8676