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アメリカでのヘアカラー&パーマ

お気楽主婦ナナコのおすすめアメリカ日用品

第1週 すっかり身近になったヘアカラー

昔むかし、ナナコがまだ(髪だけ)チャン・ツィイー似だったころのこと。後輩から電話が掛かってきました。「あのぉ。頭、ちょっと貸してもらえません? 『中身』じゃなくて『外側』だけ。あ、前はいりませんから」。うーん、ビミョーな依頼(笑)。彼女が働いている会社で(白髪染めではなくて)若い女性向けのヘアカラーを開発していたのですが、「髪を染めるなんて不良のすることだ!」と言いかねない重役のおじいちゃん達に見せるためのヘアモデルが必要だったんですって。プロのヘアメイクさんがついて、丁寧なヘアカラーとブローはもちろんのこと、念のために(別人かと思われるほどの)お化粧も施された上で、重役さん達に後ろ姿をご披露したナナコでありました。

当時からわずか2、3年後には髪を染める人が急増し、染める色合いもどんどん明るくなりました。「髪を染めるのは不良のすること」なんて偏見はもう笑い話。今では30代、40代のごく普通の女性が髪を茶色に染めていても何の違和感もありません。白髪染めとファッションカラーの境い目もあいまいになってきて、白髪をカバーしながらお洒落もしちゃおうという人が増えてきているんでしょうね。

自分でヘアカラーできれば気軽だしお金も掛からないのですが、何を選べばいいのかわからない上に、「面倒そう」「失敗したら大変」という気持ちもあって、高くても美容室におまかせしているという人が多いのではないでしょうか。アメリカには、ものすごくたくさんの種類のヘアカラーがあるし、日本と違って「白髪用」「黒髪用」というカテゴリー分けもはっきりしていないので、ドラッグストアに行ってはみても途方に暮れてしまうという声をときどき聞きます。でも、ある程度の知識があれば、ちょっとしたヘアカラーは意外と簡単にできちゃうんですよ。

ということで、次回は、ヘアカラー選びの基礎知識についてお話しします。

第2週 アメリカのヘアカラー選び基礎知識

髪の色を明るくするには脱色力、元の髪に含まれない色合いを出したいなら染色力が必要。ブリーチは脱色だけ、ヘアマニキュアは染色だけをします。ヘアカラーはふたつの作用を併せ持っていますが、それぞれの力の程度によって、黒髪向きのものと白髪向きのものの違いが出てきます。

アメリカでは、脱色作用がごく弱いヘアカラーがヘアマニキュアみたいな目的で使われています。だから、脱色作用があってもなくても「ヘアカラー」という名前。選び方を間違えると、「全然明るくならない~」ということになってしまいます。着眼点は、パッケージに書いてあるヘアカラーの分類。色もちの長さによって、レベルI 、 II 、IIIがあります。

 I はシャンプーで簡単に落ちるもの。 II はヘアマニキュア程度のもちで、脱色力はほとんどないもの。III はしっかり色合いを変えるものです。髪色を明るくしたい場合は、脱色力のないI や II ではダメ。?を選びましょう。L ‘Orealの「Feria」は 明るい色合いが豊富に揃っていて、黒髪向きです。感触重視という人なら、パサつかない仕上がりに重点を置いたL’Orealの「Color Spa」やClairolの「Hydrience」がいいかも。

色もちは短くても、髪に負担を掛けずに暗く染められればいいなら、レベル II が使えます。Clairolの「Natural Instinct」などがメジャー。しっかり染めるにはレベルIII の製品を選びます。ただし、暗い色を脱色して茶色にする黒髪用の設計の製品だと、白髪は茶色に染まりません。パッケージにある色見本の一番明るい髪色がどのくらい染まっているかをチェックしましょう。明るい髪色が暗く染まるものなら白髪にも色が入るということです。白髪の染まりを重視するなら、Clairolの「Nice’n Easy」が色を選びやすく、しかもお手ごろ価格。L ‘Orealの「Excellence」は、5番以上の色番なら白髪もよく染まりますし、アッシュ系や暖色系といった色合いのバラエティーも揃っています。染める前後に使う専用トリートメントまで付いた充実度もポイント。

次回は、髪を染める時のオキテとコツについてお話します。

第3週 失敗しないように染めるコツ

ヘアカラーやブリーチを成功させるには、まず液を充分な量使うこと。ひと箱で、セミロング1回分、ショートなら2回分が目安。乾いた髪に手でもみ込むだけで髪が隅々までべったりと濡れるくらいの量です。髪を地肌の幅2センチごとに小分けにして、ひと束ずつ、根元1センチくらいの場所から毛先に向けて、たっぷりと液を載せましょう。後ろ側の髪だったら、水平に4、5段にスライスし、各スライスを左右方向で3~4束に分ける感じです。髪が丈夫で染まりにくい襟足から始めて上のスライスに移っていきます。後ろ側はご家族やお友達に頼むのも手だし、L’Orealの「Excellence」など、ボトルの先にクシ型のノズルが付いている製品を使うという方法もあります。サイドや正面にも塗り終わったら、全体を目の粗いクシで軽くとかしてなじませます。最後は普段の分け目にしてみて、表面に出るところに液を付け残していないかチェックするといいですよ。

明るく染めた髪の根元に黒い部分が伸びて“プリン頭”になってきているのを何とかしたいという場合、黒い部分だけを明るい部分に合わせて染めようとすると、境い目が明るくなったり、暗いまま残ったりしてしまいがち。明るい部分より1、2トーン押さえた色合いを選ぶと失敗が少ないです。箱の色見本をよく見て、自分の髪の明るい部分と暗い部分両方が近い色合いに染まるものを選びましょう。

新しく生えてきた部分が気になるのは白髪染めでも同じ。根元にチラホラ白髪が目立ってきたけれど、全体を染め直すほどでもないなぁと思う時は、Clairolの「Nice’n Easy Root Touch-Up」が楽チンで経済的。根元の白髪だけチョイチョイと染めるのはとっても簡単。見えやすいところだけでもこまめにカバーしておきたいですね。

暗めの色に染めるのはわりと簡単ですが、相当明るい色にしたい場合や、髪にパーマのかかった部分があるという場合は、髪の状態を細かく調べながら加減しないといけないので、美容師さんにおまかせしたほうが安心。そうそう。ヘアカラーの染料は比較的アレルギーを起こしやすい成分なので、使う前にはちゃんとパッチテストをしましょうね。ヘアカラーというのは地肌にすり込むものではありませんが、やっぱり多少は肌に触れますから。

次回は、ホームパーマについて。

第4週 ストレートパーマと縮毛矯正

「アメリカのヘアカラーやパーマって、日本のと同じなの、違うの?」っていうのはよくある疑問。アジア人の髪は太めで暗い色なので、ちょっと染まりにくいですけれど、基本的にヘアカラーは同じです。しかし! パーマは違う。アメリカの製品はかな~り強い。「え? アジア人の髪のほうがかかりにくいじゃないの?」って思いますけど、白人毛はしっかりかけないとウェーブが伸びてしまうそうなんです。

ウェーブやカールの入ったパーマを自分でやろうという人は少ないでしょうけれど、ストレートパーマなら食指の動く人もいるかも。パーマによるウェーブやカールを取る場合と縮毛矯正がありますね。パーマを取るのは意外と簡単。髪の毛には本来の構造がかなり残っていますから、ちょっと結合を緩めてやれば真っ直ぐに戻りやすいのです。

ヘアカラーの時と同じく髪を小分けしながら液をたっぷり付け、髪をむやみに引っぱらないように粗めのクシでやさしく整えるのがコツ。使うのはウェーブをつけるための製品でOKです。OgilvieやToniというブランドがあります。アメリカの製品は強めなので、マイルドなものを選び、1剤(髪の毛の構造を解きほぐすモノ)の放置時間を一番短い設定に、2剤(解きほぐした構造を再結合するもの)の放置は充分にしましょう。

でも、縮毛矯正は別。ナナコの周りにも縮毛矯正した人がいますけど、髪を水に濡らすと海藻のようにテレ~ンとしています。こんなに強い処理は美容師さんにおまかせしましょう。アメリカのドラッグストアには(ストレートパーマ剤ではなくて)縮毛矯正剤(straightenerと呼ばれます)も置いてありますが、これは普通のパーマ剤とは仕組みが違います。普通のパーマは、髪の元の結合を少し切って好きな形につなぎ直すもので、切ったもののほとんどは2剤の処理で再結合されます。一方、縮毛矯正剤は、元の結合を完全にはつなぎ直せない形に切ってしまうんです。

来月はキッチンのお掃除についてお話しします。

(2005年6月掲載)