クレジット・ヒストリーについて教えてください。

さまざまな分野の専門家が読者の皆さんの質問にお答えします。

クレジット・ヒストリーについて教えてください。

＜ 回答者｜JCBインターナショナル・クレジットカード　サンフランシスコ支店長代理　西谷功司さん>

アメリカで暮らしていると日本の生活との違いに気付くことがあると思います。仕組みを知らなかったために損をした、遠回りをしたということもあるでしょう。中でも、「クレジット」はアメリカで暮らし始める日本人にあまり知られていないシステムのひとつではないでしょうか。原則として、スコアやクレジット・ヒストリーがない人は、ここアメリカではクレジットカードを作ることができません。

「アメリカに来たばかりで、スコアもヒストリーもない人が、どうやってカードを持つのか？　カードを持てないならスコアもヒストリーも作れないじゃないか」と思う人も多いでしょう。そこで、スコアもヒストリーもない人が利用できるものに「セキュアー・カード」があります。セキュアー・カードとは担保を預け、担保金額分をカード利用する方法です。これはクレジットカードではありませんが、クレジットカードを取得するための最短距離になります。担保というシステムを利用することによって、銀行側は返済時のリスクを負わなくて済むわけです。また、リスクを回避するだけが理由ではなく、差別に敏感な米国の金融機関はビジネス・ライセンスを剥奪されないためにも、人々を公平に扱う手段として、セキュアー・カードを提供しているのです。利用者にとってタイプはどのようなものであれ、「カードで買い物をする」という便利さは享受できます。一定の利用期間に利用者の運用が規定に沿っていれば、セキュアー・カードからクレジットカードに変更可能です。

セキュアー・カードを取得するのはいたって簡単。まず、銀行などでセキュアー・カードを申し込み、パーソナル・チェックで担保を預けます。その担保金額が、あなたのカードの与信額となり、それを上限にクレジットカード同様に利用することができるようになります。毎月の返済を期日通りに返すという作業を続けると、6カ月ほどすれば各カード会社からクレジットカード用の申込書が届くようになります。

あとは、自分に合ったクレジットカードに申し込み、利用が優良な場合には、さらにスコアやクレジット・ヒストリーを積み上げていくことができるようになります。

（2006年3月）