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高校生の息子が運転免許取得を考え中。保険に入る際の注意点はありますか? |
< 回答者|イージス・リスク・マネージメント 佐藤幸哉さん >
まず保険会社に相談しましょう。目的はふたつ。子供の保険追加手続きの流れやタイミングを確認することと、費用の見当を付けることです。高校生など若年運転者の保険追加は、一般に成人よりコストが高いうえ、追加書類を必要とされることもあります。高校在学中に学校や民間運転教習校の運転講習クラスを受けた後、試験所での筆記テストに合格して仮免許を取得すると、自宅の車を使って運転練習したり実技テストを受けたりすることになります。遅くとも筆記テストに受かった段階で代理店あるいは保険会社に連絡しましょう。仮免許取得時に追加手続きをすることもあるからです。
子供を保険に追加するには、免許証のコピーに加え、学校でB+など一定の成績以上であれば保険料を割り引きできる可能性もあるので、成績証明書も一緒に用意しましょう。若年運転者質問書(Young Driver Questionnaire)の提出を求められる場合もあります。
コスト面では、子供を運転者として追加するだけなのか、あるいは子供専用の車も一緒に追加するのかによって、両親が負担する追加保険コストはまったく違います。また、運転者としてだけ追加する時でも、子供が両親の車のパートタイム運転者となり、それほど大きな費用が発生しない場合もあれば、本当にパートタイム運転者であっても、よりリスクが高いと判断されるフルタイム運転者として子供が両親の車を運転するかのように、追加費用が計算される場合もあります。ここは保険会社によって大きく異なる部分です。
子供専用の車も追加するなら、費用がさらに大きくなるので、慎重な事前調査が必要です。子供には中古車で比較的安い車を与えようと考える両親も多いでしょうが、保険のコストは必ずしも車の値段だけにリンクしているわけではありません。安い車でも意外に高い保険料になったり、逆に「息子にはもったいない」車の保険コストが安く、結果として車の差額は1年の保険コスト差で十分カバーできてしまうこともあります。購入候補車種を選定し、保険面で有利な車種を事前に保険会社へ確認しましょう。リースやローンで購入した車でなければ、車両保険を外すという選択もあります。
(2006年11月)
イージス・リスク・マネージメント 佐藤幸哉さん
23年を超える滞米経験と保険業界経験を持ち、カリフォルニアに本拠を持つイージス・リスク・マネージメント社創立者のひとり。同社は西海岸全域の日系企業向けに保険代理・ブローカー業務を展開して19年。2006年2月にはポートランドに連絡事務所を開設し、ポートランド、シアトル地区の個人保険専門のサービスも行っている。
Aegis Risk Management Insurance Services, Inc.
TEL:310-793-1309 / 503-701-8921 ウェブサイト:www.aegisrm.com
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