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アパートの管理者にメンテナンスを依頼しても対応してくれません。

さまざまな分野の専門家が読者の皆さんの質問にお答えします。

アパートの管理者にメンテナンスを依頼しても対応してくれません。

< 回答者|ジョン・L・スコット エージェント 三井まりこさん>

賃貸のメンテナンス事項については不都合な内容を証明できない限り、家主側との交渉が難しいことが多々あるようです。トラブルを避けるため、契約時に必ず家主とインスペクションを行い、故障や不都合があった場合、入居前に直してもらうか、入居後であればその旨を書面で残しておくと良いでしょう。契約書でメンテナンス事項を再確認し、家主負担、自己負担の線引きを明確にしておきましょう。一般的な負担の振り分けは次の通りです。

家主側が負担:【建物】屋根の雨漏り、壁、外灯、共有施設の管理、窓の開閉 【ライフライン】水道、配水管、電気、ガスに関わる異常 【生活器具】調理レンジ、冷蔵庫、シャワー/トイレ、暖房、給湯器、食器洗い機、洗濯機/乾燥機ほか、契約時に含まれる器具
テナント側が負担:【建物】窓ガラスの破損、網戸、壁の破損、ペットによる破損、鍵の紛失による交換、改築・改造した部分 【ライフライン】生ゴミによる配水管の詰まり、洗濯機の誤操作、蛇口の締め忘れ 【生活器具】後から追加した器具(洗濯機/乾燥機、衛星アンテナなど)、契約に含まれていない器具

基本的に、家主はテナントに最低限の生活ができる環境を与えなくてはいけない、という定めがあります。前述のメンテナンス範囲を参考に、家主との交渉時、法的手段に出る場合、また不都合の存在を理由に賃貸契約を破棄したい場合も、先に契約不履行事項を明確にしてから話を進めます。例えば、ライフラインにどの程度関わっているか。台所の流しの水漏れは、料理ができない、衛生上の問題、カビの懸念など、ライフラインほか、法的な部分も含まれており、これらは家主が早急に対処しなくてはなりません。窓やドアが開かない場合は、火災法や建築基準法にも触れる可能性があります(各法律は築年数によって適用内容が変わる場合があります)。

なお、アメリカでは、国籍、性別、人種、身体が不自由であることを理由に入居を拒否しないよう義務付けられています(Fair Housing Law)。これらの差別が問題であれば、郡や市のカウンセリング・サービスに相談しましょう。

※上記内容はワシントン州にのみ準用されます。法的効用や手続きに関しては弁護士にご相談ください。※テナント側負担費用はレンターズ保険で補償される場合もあります。

(2007年4月)

ジョン・L・スコット エージェント 三井まりこさん


元トップ・エージェント・アシスタントの経験を生かし、迅速な対応と常に市場を熟知した最新のサービスを提供。「お客さまそれぞれの夢やスタイルにかなった、心地良い家に住んでいただくこと」をモットーとする。ユニークなセミナーを随時開催。エージェントの日常をつづったブログも公開中。

John L. Scott
TEL:425-765-8742 ウェブサイト:www.marikomitsui.com