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データのバックアップについて注意点を教えてください。 |
< 回答者|パシフィック・ソフトウェア・パブリッシング ITソリューション・セールス 村井雄治さん>
人には誰にでも取り返しの付かないものを失った経験があるでしょう。お金、自動車、ステータス、恋人など、失って泣くものは人によって多種多様です。では会社にとって、失うと取り返しの付かないものとは何でしょう? 商品もクライアントの信頼も取り戻すのは困難ですが、お金や努力で解決は可能。しかし、コンピューター上で管理、保存されているEメール、顧客情報、経理情報、契約書、請求書などの大切なデータはどうでしょう。パソコンの盗難に遭ったり、誤操作でデータが消えてしまったり、データを保存するコンピューターのハードディスクが壊れてデータの取り出しが不可能になったり……。こういった惨事は、想像以上に頻繁に起こっています。
誤操作でのデータ紛失は、保存のし忘れ、作業中にコンピューターが動かなくなり強制終了した時、誤ってコンピューターを初期化してしまった時、同じ名前の古いデータを新しいデータに上書きした時など、起こる状況はさまざまです。ハードディスクが壊れる原因も同様で、寿命、ウイルス、コーヒーをこぼす、自然災害(嵐による停電、ハリケーンによる浸水)などいろいろあります。コンピューターは正常に動いていて当たり前、と考えがちですが、機械ですから故障したり壊れたりすることもあります。前述のような事態が起こった時のことを想定し、前もってしっかりデータのバックアップを行うことが必要です。
データのバックアップですが、保存先はCDやDVD、サーバー、外付けのハードディスク、方法もマニュアルから自動化されたものまでさまざまです。破損や紛失の可能性があり、面倒でさぼりがちになるCDやDVDへの保存方法より、毎日何時、または毎週何曜日の何時にというように自動化可能なプログラムを使って、外付けのハードディスクやサーバーにバックアップを取るというのが、安全だと考えられています。ただし、どの方法も100%というわけではありませんので、組み合わせて二重三重の体制で臨みましょう。さらに、バックアップがスケジュール通りに取られているか、バックアップのデータを元の場所に復元可能か、定期的な確認も怠りなく。バックアップには時間と費用、技術を要することも事実ですので、まずはプロに相談するのも得策と言えるでしょう。
(2007年5月)
パシフィック・ソフトウェア・パブリッシング ITソリューション・セールス 村井雄治さん
北海道出身。サウス・シアトル・コミュニティー・カレッジからシアトル大学に編入、2005年に卒業。現在はパシフィック・ソフトウェア・パブリッシングで、コンピューターの販売・修理から、ネットワークの構築とメンテナンス、データのバックアップまでを提供。休日は、サッカーや釣りをするのが何よりの楽しみ。
Pacific Software Publishing, Inc.
TEL: 425-957-0808 ウェブサイト:www.pspinc.com
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