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H-1Bビザ保持者が米国人との結婚でグリーンカードを取得するには?

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H-1Bビザ保持者が米国人との結婚でグリーンカードを取得するには?

< 回答者|弁護士 五十畑諭さん>

アメリカにH-1Bビザ(就労ビザ)のステイタスで在留している人が、アメリカ市民権を持っている人との結婚によってグリーンカード(永住権)を申請する場合、移民ビザの申請と、H-1Bビザから永住者のステイタスへ変更する手続き(ステイタス・アジャストメント)の両方が必要となります。これらの申請は同時に行うことができます。結婚に基づくグリーンカード申請では、移民局の目標審査期間は90日です。シアトルはこの目標達成のためのテスト・ケース地域とされていますが、07年6月現在の審査期間は4、5カ月となっています。

グリーンカード申請は、H-1Bビザが有効のうちに始めたほうが良いでしょう。申請後にH-1Bビザが失効したとしても、グリーンカード申請中ということで、認可されるまで引き続きアメリカに在留することが可能です。

申請後もH-1Bビザで就労する同じ雇用主のところで働きたい場合、認可までの間、H-1Bビザが有効なうちは、H-1Bビザのステイタスの下で働くことができます。ほかの雇用主のところで働きたい場合は、就労許可証を取得する必要があります。ただ、取得には時間が掛かり、取得しても、その1、2カ月後にはグリーンカードの認可が得られるため、就労許可証を別途取得するメリットはあまりありません。

国外旅行は、H-1Bビザ・スタンプ(入国査証)の有効期限内で、なおかつ再入国後も引き続きH-1Bビザで就労する雇用主のところで働くのであれば、H-1Bビザ・スタンプを利用して再入国が可能です。H-1Bビザ・スタンプが期限切れの場合や、再入国後H-1Bビザで就労する雇用主のところで働かない場合(ほかの雇用主のところで働く場合を含む)は、別途旅行の許可証を取得する必要があります。しかし、就労許可証と同様、取得には時間が掛かるため、メリットはないのが現実です。緊急時に日本へ帰国する必要がある場合は、移民局の地域事務所にて即日取得する方法がありますが、旅行理由が緊急である証明が必要となります。
なお、移民局申請料は今年7月30日以降、移民ビザ申請が$190から$355に、ステイタス・アジャストメントが$395から$1,010に値上がりします。

(2007年7月)

弁護士 五十畑諭さん


琴河・五十畑法律事務所代表。カンザス州ウォッシュバーン大学ロー・スクール卒(ジュリス・ドクター)。ワシントン州弁護士会、カンザス州弁護士会、米国移民法弁護士会会員。専門である移民法以外にも、その周辺分野、特に家族法、遺言、一般民事に精通。

Kotokawa & Isohata, PS
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