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確定申告の時期に慌てないよう今から準備できることはありますか。 |
< 回答者|松本&アソシエーツ米国公認会計士事務所 米国公認会計士 松本孝之さん >
皆さま、夏休みはいかがお過ごしになりましたか!? この時期、税金などへの関心が結構薄くなりがちですが、実は今から来年の確定申告の準備をしておくことが大切です。
では、どのような準備が必要なのでしょうか? まずは気になる節税対策でしょう。節税のポイントは、『ゆうマガ』2007年5月号にも掲載させていただきましたが、基本的には①課税対象所得を低くできるか、あるいは②控除を増やせないか、の2点がポイントになります。いずれの場合も、節税効果のある有効なお金の使い方がポイントですので、例えば、IRA(個人退職基金口座)、Mortgage Interest(住宅融資支払利子)、教育支出、あるいは投資関連経費の見直しなど、節税につながる支出を勉強することが肝要と言えます。
また、最近は節税情報なども簡単にインターネットで入手できますので、グーグルなどで「Tax Planning Tip」、あるいは「Tax Saving Tips」と入力して検索すると、意外に多くの情報を得ることができるものです。ぜひ一度お試しください!
一方、節税と同様に大切なのが、資料の保管と言えるでしょう。よく「レシートを残しておいたほうが良い」と言いますが、まさにその通りで、支出を証明できる領収書などを保管しておくことは、とても大切なことです。IRS(連邦歳入庁)では、控除できる費用の「Burden of Proof = 立証責任」は納税者の義務、と定めていますので、支出の証明となる資料(レシート、チェックの控え、請求書など)を保管することは、納税者の責任となっています(納税者が支出を証明できない場合は、IRSは控除を否認することもできます)。IRSでは、これらの資料保管に関するガイドライン(どのような書類を、何年間保管しなければならないか、など)をIRSのウェブサイトに掲載していますので、お時間のある時にぜひ一度ご覧ください。(Publication 552, Recordkeeping for Individuals : www.irs.gov/pub/irs-pdf/p552.pdf)
(2007年9月)
松本&アソシエーツ米国公認会計士事務所 米国公認会計士 松本孝之さん
永野森田米国公認会計事務所(Nagano & Morita, CPAs)でパートナー&シリコンバレー事務所責任者を務めた後、2005年4月にサンノゼで松本&アソシエーツ米国公認会計士事務所を開業。2006年1月よりベルビューに出張所を設置している。関西学院大学経済学部卒。
Matsumoto & Associates, CPA TEL: 425-463-6360 ウェブサイト:www.m-cpa.com
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