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字を上手に書くコツを教えてください。 |
< 回答者|明石書道教室 藤井直子さん >
皆さんは日々の暮らしの中で、一体どのくらい机に向かって文字を書いていますか? 電子メールやパソコンが普及し、そのうえ日本を離れて暮らしている私達は、思っている以上に日本語を書く機会が減っているのではないでしょうか。まず、皆さんにとって“うまい字”とはどういうものですか。ある人は大きく堂々とした文字、またある人は定規で引いたようにまじめな文字など、いろいろでしょう。そこで基本中の基本をご紹介したいと思います。
①姿勢:机に真っすぐ向き、背筋を伸ばして正座で書きます。イスならば背筋を伸ばし、足など組まず、いすの中央部に真っすぐに座ります。ノートや便せんは、へその前にまっすぐに置き、肩の力を抜いてゆったりと正しい姿勢を保ってください。
②筆記具の持ち方:書写の教科書に出てくるような正しい持ち方をしていますか? 正しい持ち方をしていないと書いている文字が見えにくいため、不自然に首が倒れ姿勢が崩れます。また、正しい持ち方をすると美しい筆圧が生まれ、弱過ぎず強過ぎない、きれいな線質が出てきます。
③気持ち:姿勢にも持ち方にも十分に気を付けた後は気持ち、すなわち心の問題です。うまく書きたい、うまく書こう、と思うだけで文字は変わってきます。丁寧にゆっくりと、心を込めて書いてみましょう。気持ち次第で、書き手はもちろん、読み手にとっても、字の印象が全く変わってきます。
④とめ、はね、はらい:気持ちを込めてはみたけれど何だかパッとしない、と感じたら、ご自身の文字をよく観察してみましょう。とめ、はね、はらい、という細部にまで神経が行き届いていますか? もちろん縦画、横画のバランス、線の長短など、観察するところは多くあります。しかし基本は、とめ、はね、はらいです。さあ、書いてみましょう。
共に指導をする夫は、おけいこの度に大きな声でこう呼び掛けます。「美しく書こうと思えば書ける!!」。繰り返し続けていくことは、とても大きな力となります。日ごろのほんのささいな心掛け次第で美しい文字が生まれます。そのことは、きっと大きな喜びとなっていくはずです。美しい日本の文字を書くことの誇りと、ちょっとした緊張感を持って、まずはご自分の名前から書いてみましょう。正しい姿勢を保ち、正しい持ち方で、とめ、はね、はらいに気を配り、丁寧に、ゆっくりと、心を込めて!!
(2008年5月)
明石書道教室 藤井直子さん
明藤書道会副会長。ワシントン州レドモンドの明石USA書道教室で夫と共に指導に当たる。20年以上にわたり書教育に取り組み、多くの子供達はもとより、大人向けのクラスも開講して、文字を書くことの大切さを多くの人に伝えている。大東文化大学文学部中国文学科卒。
Meito Shodokai TEL: 425-869-0994 ウェブサイト:www.meitokai.com
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