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日本茶のおいしいいれ方を教えてください。 |
< 回答者|日本茶インストラクター 松本靖治さん >
お茶を上手にいれられない……。これは店頭販売などでも、お客さまにいちばん多く相談されることです。でもご安心を。ポイントさえ押さえれば、誰でも簡単においしいお茶をいれることができます!
お茶の味わいは、茶葉、使用する水、いれ方の3つで決まります。おいしさが決まる割合は、茶葉6割、水1割、そして残りの3割がいれ方と言われているため、おいしいお茶をいれるには、まずおいしい茶葉を探すことがもっとも大切です。海外で販売されている茶葉の場合、鮮度に問題があることが少なくありません。値段はともかく、鮮度の良い茶葉を手に入れることがおいしいお茶をいれるための第1歩です。鮮度の良い茶葉を入手するいちばんの方法は、日本(できれば茶農家)から直接取り寄せること。2番目はテイスティングをさせてくれるティー・ハウスなどで購入すると良いでしょう。スーパーマーケットで購入する場合は、商品の回転が早い店で探すことと、賞味期限に注意することです。
日本茶をいれるのに適する水は軟水です。ノースウエストの場合、比較的水は軟らかいので、家庭用の浄水フィルターを通すだけで十分です。お茶をいれる時は、茶葉の量・お湯の量・お湯の温度・抽出時間の4つの要素が重要になります。初心者は茶葉を少なく入れがちですが、そうすると味も香りも出ないので、茶葉はケチらずに入れましょう。ちなみにひとり分の茶葉の量は、一般的には2グラムくらいが目安とされています。また、お茶をいれる際には、湯飲みにいったんお湯を注いで、湯飲みを温めておくと良いでしょう。
適切なお湯の量とお湯の温度、抽出時間は、茶葉の種類によって異なるため一概には言えませんが、オススメのいれ方は、お湯を注いだ後、急須のふたを閉めずに茶葉の開き具合を見ながら抽出する方法です。茶葉は、お湯の温度や量で開き加減が変わります。それにより味わいにも違いが出るので、いろいろないれ方を試してみて、自分好みの湯温・湯量・抽出時間を見つけると良いと思います。新鮮な茶葉を用意し、お湯に広がる茶葉を眺めながら、ゆったりとした気持ちでいれてもらえば、誰でも必ずおいしいお茶をいれることができます。
新茶のおいしいこの季節、お気に入りのお菓子と共にすてきなティー・タイムをお楽しみください。
(2008年6月)
日本茶インストラクター 松本靖治さん
1キロ10万円という日本最高価格の煎茶を作る茶産地、京都和束(わづか)町にて、宇治茶の生産・販売・インストラクションなどを行う、京都おぶぶ茶苑の副代表。茶農家直送の日本茶の魅力を世界に伝えるため、日本国外での普及活動にも熱心。1974年生まれ。
Kyoto Obubu Chaen ウェブサイト:www.obubu.com(日本語)、http://teaofjapan.com(英語)
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