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日本式の浴槽に取り替える際の プロセスを教えてください。 |
< 回答者|バスプロ株式会社 ゼネラル・マネジャー 鴇田晴幸さん>
日の終わりに肩までたっぷり湯船に浸かる入浴タイムは、日本人にとってホッとひと息つける時間。血行も良くなり、健康面でもさまざまなメリットがあります。とは言え、アメリカで生活していくうえでは、日本式の浴槽に入るのは無理だとあきらめている方も多いでしょう。しかし、標準サイズの浴槽でしたら、一軒家はもちろん、集合住宅(コンドミニアムやタウン・ハウス)でも、取り替え工事は可能。従来の洋式バスタブがあった位置にそっくりそのまま入れ替えできます。
アメリカにおけるバスタブの標準サイズとは、長さ5フィート(60インチ)、幅2.5フィート(30インチ)前後の長方形のもののことを言います。ごくまれに長さ4.5フィートのものもありますが、そのような製品が備え付けられた場合でも、長さをカットできる浴槽もあるので、対応は可能です。取り替えを考えている方は、一度ご自宅のバスタブのサイズを測ってみると良いでしょう(バスタブそのものは壁の中へ1、2インチ入っているので、目に見える部分を測った時に58インチなどであっても、それは通常5フィートの標準サイズとなります)。
バスタブは、通常3面がタイルなどでできた壁に囲まれていますが、既存のバスタブを取り外す際にこれらの壁を3面共、上から下まで全面取り壊さなければなりません。従って、それらを取り外して壁を新しくする工事が必要です。その際、シャワーヘッド、蛇口、取っ手、その後ろ(壁の中)にあるミキシング・バルブ、またはボリューム・コントロールを新しく替えることになります。また、お風呂が深くなるので、蛇口の位置も高くします。
施工はコントラクター(工務店または請負業者)やプラマー(日本でいう水道工事業者または配管業者)が行いますが、比較的容易な工事です。費用は、値段の高い材料を使わない場合で、8~9千ドルほどを見込んでください。通常は、工事開始から1週間ほどで仕上がりますが、バスタブがひとつしかないお宅などは、その間ホテルなどに泊まる必要があるかもしれません。
また、シャワーパンという出来合いの洗い場を、湯船の横に取り付けることもできますが、スペースが狭ければ、トイレを取り外すなどの工事が必要な場合もあります。詳しくは、専門家にお問い合わせください。
(2008年9月)
バスプロ株式会社 ゼネラル・マネジャー 鴇田晴幸さん
アメリカの家屋サイズに合わせた日本式バスタブ“湯ぶね”及び“J-ソーカー”の設計者。アメリカ在住歴35年。バスプロ社の技術担当を15年、現在は同社GMを務める。同社では、日本式の浴槽のほか、サウナや温水洗浄便座など、アメリカで暮らす日本人の生活がより快適になるような生活用具や設備を提供している。
Bathpro Corporation TEL: 1-808-842-0002 ウェブサイト:www.bathpro.net
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