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他人の犬に噛まれた場合、その補償はどうなりますか。 |
< 回答者|損害補償専門弁護士 アンソニー・グレガさん>
アメリカでは、州によって異なる法的条件がありますが、全般的に犬の飼い主が自分の犬の起こした被害の責任を持つことになっています。そして、補償責任も、当然飼い主にあります。
補償は、この被害によって生じた医療費、心身的に受けた傷、被害によって仕事を休まなければならなかった場合の収入の補償など、多岐にわたります。けがの程度にもよりますが、軽いものであれば、被害者が直接、犬の飼い主の損害保険の会社に連絡を取り、クレームを申し立て医療費を請求することもできます。しかし、それよりひどい被害に遭われた場合は、損害補償専門の弁護士に、すぐに相談することをお勧めいたします。大部分の弁護士は、無料の相談を受け付けていますので、安心して相談してみてください。
アメリカの慣例では、被害者が自分の医療費をいったん支払い、すべての治療と交渉が終わった段階で、飼い主の保険会社のほうから、医療費の払い戻しを受けるようになっています。もし、突然犬に襲われたり、噛み付かれたりした時には、次のことをしてください。
①まずは、自分のけがの対処。緊急の場合は、911に連絡をする。
②飼い主の名前、住所、電話番号、そして、できるなら損害保険(アメリカの場合、Homeowner’s Insuranceという保険に含まれている)の情報をもらう。
③目撃者がいる場合は、その人の名前と、電話番号を聞く。
以上のことは、補償を受けるうえで、必要な情報となります。そのうえで、損害補償専門の弁護士に相談するなどしてください。
通例では、アメリカの損害補償専門の弁護士は、成功報酬といって、相手側の保険会社から取り立てた金額の中から、歩合制で報酬を受け取ります。依頼者は、時間単位での弁護士費用を払う必要はありませんし、もし成功しない場合でも、費用を請求されることはありません。
(2008年12月)
損害補償専門弁護士 アンソニー・グレガさん
94年にワシントン州立ワシントン大学を卒業後、14年にわたりシアトルにて損害補償専門(Personal Injury)の弁護士として従事。特に損害を受けた側の賠償請求を専門にしている。シアトル生まれで、日本で暮らした経験もあり。なお、アンソニー・グレガ法律事務所には、日本人スタッフも勤務する。
Grega, J. Anthony Grega Law Group TEL : 206-522-4741
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