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車を定期検査に出すことで、未然に防げる故障や事故は?

さまざまな分野の専門家が読者の皆さんの質問にお答えします。

車を定期検査に出すことで、未然に防げる故障や事故は?

< 回答者|自動車整備・修理・販売業 林 竜介さん>

通常、自動車は走行3万マイルごとに定期検査に出すのが理想ですが、アメリカは日本と違い車検の制度がないので、怠っている人も多いでしょう。しかし定期検査を受けていれば、故障箇所の修理はもちろん、部品交換のタイミングやそれに掛かる費用の概算など、以後のメンテナンス・スケジュールや出費の予定も立てやすくなります。

その良い例がブレーキ・パッド。これはブレーキを踏むごとにすり減っていく消耗品で、通常は走行6万マイルくらいでの交換が必要ですが、定期検査では残量があと何%あるかなどをチェックするので、交換時期を知ることができます。パッドが完全になくなってしまうと、ブレーキ・ローターにまで影響が出て、多額の修理費を要する事態に発展します。

また、タイヤは消耗品であると共に路面に直に触れる唯一の部品なだけに、ケアが必要。定期検査では車体から外し、キズ(釘などの異物混入の有無や亀裂)、摩耗具合、空気圧などをチェックし調整します。タイヤに異常があるとスリップしやすくなったり、突然バーストするなど事故に直結するので、注意しましょう。

車は機械なので、使っていれば消耗するのは当たり前です。突発的な故障や事故は避けられませんが、定期検査を受ければ、部品の寿命が影響する故障や事故を未然に防げるでしょう。

定期検査の所用時間と料金は、業者によって差はありますが、弊社の場合は1時間$55より受け付けており、通常は1時間半を要します。

日本からアメリカに来たばかりの人は、道路が日本よりでこぼこしていて滑りやすいと感じる方もいるかもしれません。しかし、アメリカでの運転はフリーウェイがメイン。日本の一般道の交通量や交差点の多さを考えると、一定のスピードで走れるので逆に安全な面もあります。フリーウェイでは、スピードが出ている車も多いですが、自分だけ速度が遅いとかえって危険なので、ほかの車の波に乗って運転するのも事故を防ぐコツのひとつです。不安がある人は、運転が上手な人に助手席で教えてもらうのも、上達の近道だと思います。安全なカーライフをお過ごしください。

(2009年11月)

自動車整備・修理・販売業 林 竜介さん


87年に東京で中古車輸入販売修理会社、リンズワークスを設立。00年にシアトルに移住してからは修理や整備点検が業務の中心で、顧客のほぼ全員が日本人。出張サービスや無料の故障・修理相談のほか、車輌の委託販売、買い取り、一時預かりなどもしている。

LINZ Works
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