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アメリカでの就職活動のポイントを教えてください |
< 回答者|インテレッセ・インターナショナル 菊池正博さん>
アメリカと日本の就職活動で違うことといえば、まず履歴書の書き方にあります。日本の履歴書はその人物がどこの学校で何を学び、どんな経験を積んできたか、古い経験から新しい経験の順に書きますが、アメリカでの履歴書は自分が目指すキャリアパス(過去の職歴から現在の職務を通して、今後の希望や目標などを表した具体的なキャリアプラン)をトップに、いちばん新しい経験を先に書きます。これは考え方の違いによるものだと思いますが、日本の場合はその人を知るために過去から現在の順に見ていくのに対して、アメリカの場合はその人が会社の求めているポジションにすぐに役立つ経験を持っているかどうか、という視点から履歴書を見ます。日本の履歴書の書き方が帰納法的アプローチであるとすると、アメリカの履歴書の書き方は演繹(えんえき)法的アプローチであると言えるでしょう。
また、アメリカでの就職活動では積極的にいろいろな所から情報収集を行い、実際に自分で動くことが必要になります。アメリカでは待っていても何も起こりません。最近はインターネットからさまざまな情報収集が簡単にできるようになりましたが、百聞は一見にしかず。自分が働きたい会社であれば、自らが会社訪問をして自分の目で見たり、可能ならばインターンに応募して、実際にその職場で働く経験をするのも次のステップに結び付く良いきっかけになるかもしれません。そのほか、当社のような人材サービス会社に登録し、そこから情報収集をして仕事を紹介してもらうのもひとつの方法です。どこから有益な情報が入ってくるかもわからないので、常に自分のネットワークを広げておくことも必要です。
よく求職者の中でいろいろな仕事の求人募集の話が入ってきてインタビュー(面接)に呼ばれる機会に恵まれても、自分が採用されるのを前提に、インタビューに行くか行かないかを判断する方がいますが、現実はそんなに甘くはありません。会社側にとってはあなたはひとりの候補者でしかなく、ほかにも優れた能力を持った候補者達がいるということを忘れず、自分が興味のある業界やポジションのインタビューに行く機会があれば、その会社から最終的にオファーを獲得できるよう、全力を尽くしてください。
(2012年6月)
インテレッセ・インターナショナル 菊池正博さん
日系の人材総合サービスとして全米で最大のネットワークを持つインテレッセ・インターナショナル社、副社長。同社は人材サービスを始め、アウトソーシング・サービス、出版サービス、結婚情報提供サービスなど、幅広いサービスを提供。昨年、人材サービス部門の呼称をアイアイアイキャリア(iiicareeer)と改名。
Interesse International Inc.
TEL : 206-357-8486 www.iiicareer.com
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