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算数が不得意な子供の計算力を向上させるには?

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算数が不得意な子供の計算力を向上させるには?

< 回答者|シアトル算数珠算学院講師 佐野哲哉さん>

そろばん塾を始めてから、「うちの子、算数が苦手なんですが、何かアドバイスをいただけませんか?」とよく質問されます。算数には、大きく分けて計算問題と文章(応用)問題があります。文章問題は基礎的な計算力がある上での応用となり、計算力だけではなく読解力が大きく影響し、読んで理解するための語彙など日本語の知識も必要とされます。一方、計算問題では、正解を導き出した時の喜びを実感させることで、数字への苦手意識を解消出来るはずです。運動でも学問でも、最初からレベルの高いものは出来ません。不断の努力があって初めて“モノ”になっていくので、苦手意識の強い計算問題も、数をこなしていくことが大事です。その積み重ねにより立派に克服することが可能になっていきます。

四則演算(足し算、引き算、かけ算、割り算)を早く正確に行うことが計算問題のかぎを握ります。ゲーム感覚で楽しみながら計算力が着けられるものとして挙げられるのが「百マス計算」です。最初から100マスでやっても良いですが、子供が幼稚園あるいは小学校低学年であれば、10マスや25マスの足し算、中学年であれば、25マスや50マスの足し算、掛け算などから徐々に問題数を増やすのも良いでしょう。高学年であれば、100マスの四則演算問題に取り組むと、計算力が飛躍的に向上するはずです。計算する時はタイマーで計測し、同じ問題を2週間行います。最初は時間が掛かった問題も、見違えるほど早く出来るようになるでしょう。たまに親御さんも一緒に競ってやるのも良いかもしれません。

また、そろばんも計算力向上のためには最適な手段です。そろばんは計算機としても使用しますが、どちらかと言うと指先を使うことで脳を刺激し、計算力のみならず、集中力、忍耐力、判断力なども同時に養うことのできる“習い事”として近年日本でも見直されています。計算力向上のために日本の多くの小学校でそろばん学習を取り入れていることからもその価値がおわかりいただけると思います。問題を目で見て頭で考え、指で珠をはじき答えを出す、というのがひとつのサイクルですが、読み上げ算では目の代わりに耳も使います。暗算なども含めそろばん学習は右脳学習になるので、ほかの学習とは違った角度からの脳力の向上も期待できます。

(2012年7月)

シアトル算数珠算学院講師 佐野哲哉さん


実家が珠算塾を経営、自らも習っていたこともあり、2011年9月にシアトル算数珠算学院を開校。ワシントン州で唯一の全国珠算教育連盟(全珠連)加盟教場。現在ベルビュー本校を始めとして、シアトル、リンウッド、デモインでそろばん学習の場を提供。対象年齢5歳~、レベルに応じた練習を重ね検定試験も同塾での受験が可能。

Math Abacus School of Seattle
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