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ビデオ・ソーシャル・ネットワーク・サイトを、どう活用すればいいかわかりません |
< 回答者|ニコニコ動画英語版運営会社社長 ジェイムス・スパーンさん>
近年、ソーシャル・ネットワークという言葉が世の中に盛んに飛び交っています。これを直訳すれば、「人と人との社会的、社交的な繋がり」とでも訳しましょうか。昔で言えば、ダンス・ホール、銭湯、居酒屋といったところで、以前からあるコミュニティー・サービスなのです。ただ、「ソーシャル・ネットワーク・サイト」なるカタカナ言葉になると、主にインターネット上でコミュニティーを提供するサービスを指します。
インターネット上にソーシャル・ネットワーク・サイトなるものが登場し始めたのはここ18年くらいで、個人の公開日記といったようなブログや電子掲示板など、ユーザーからの情報提供型に始まり、最近では、知人、友人間のコミュニケーションを促進する場の提供、趣味、嗜好、地域、出身校などの共通点を介して、直接関係のない人とネットワークを構築する場にまで広がりを見せています。
さて、本題のビデオ・ソーシャル・ネットワーク・サイトですが、これは、インターネット上にユーザーが投稿した画像や動画を共有しながら交流するといった、コミュニケーション・サイトの提供を言います。また、ユーザーの投稿ばかりでなく、サイト運営側もニュース、バラエティー、アニメ、スポーツ、ドラマ、ショー、コンサート、映画などの映像を生放送で提供。それを見たユーザーが、パソコンの画面上に感じたことなどを書き込み、ほかのユーザーとあたかもその場に居合わせたかのように共感し合ったり、意見や情報の交換、更にはサイト運営側にも意見や思いを伝えることができるという、臨場感あふれるユーザー参加型メディアなるサイトも登場しています。今までのような報道側からの一方的な情報配信から、受け手である視聴者からの情報も反映されるといったTV業界、マスメディア業界の常識を一新するようなメディア界の革命児的存在にもなりつつあります。
インターネットならではの迅速かつ旬な情報を一緒に共有し、思ったことや感じたことを率直に世間に問い掛け、そして瞬時に反応も返ってくる。そこにビデオ・ソーシャル・ネットワーク・サイトの面白さがあるようです。
(2012年8月)
ニコニコ動画英語版運営会社社長、ジェイムス・スパーンさん
ドワンゴ設立のきっかけを作り、ニコニコ動画普及の立役者でもある。セガを経て、日本のマイクロソフトで勤務。ドワンゴにも執行役員として在籍した。現在、映像制作・メディア会社であるSV Networks, LLCと、サービス会社niconico.com、2社のCEOを務める。2012年の目標のひとつとして、地域との共生・連携を掲げている。家族4人でサマミッシュに在住。
SV Networks, LLC http://svnetworks.com
nico nico, Inc www.niconico.com
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