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子供の日本語力が伸びないのでアドバイスをお願いします |
< 回答者|米日教育交流協議会 代表 丹羽筆人さん>
日本で暮らしていれば、日本語を意識的に聞かせようとしなくても、日本語が自然に聞こえてきますし、頻繁に目にする文字も日本語です。否応なしに日本語が目や耳から飛び込んできますので、子供達は日本語のシャワーを浴びているような状態に置かれます。これが日本語力伸長のためのヒントです。
日常的に日本語を学習しているものの、なかなか伸びが見られないと困っている親は、家庭内では徹底した日本語環境を作るということを心掛けるとよいでしょう。日本語のテレビ番組やビデオなどを観るという方法もありますが、まず、親子間の会話はすべて日本語にすることが大切です。次に、両親が日本語を話す場合は、子供の前で日本語でたくさん会話しましょう。大人同士の会話は、子供が理解できないような難しい話題でも構いません。子供の知らない言葉のシャワーを浴びせることは語彙を増やすのに効果的です。
ただし、両親が日本語で会話するのは、母国語が共に日本語でなければ難しいかもしれません。兄弟姉妹同士では自然に英語で会話してしまうということもあるでしょうが、親子間の会話は日本語で行うことを徹底してください。両親の会話が英語であっても、子供には日本語しか使わない、子供にも日本語しか使わせないという強い態度が必要です。母親(または父親)と話すために日本語が必要なのだということを実感させることが重要なのです。そして、会話の際、文法的な誤りや発音の違いを訂正しましょう。親が理解できたからよしとしてそのままにしておくと、子供は間違った日本語を覚えてしまいます。
また、家庭内に日本語の書籍や雑誌、新聞などを目につくように置いておくことも必要です。難解であっても日本にいるのと同様、日本語を見たり聞いたり読んだりできるという環境を作ることが大切です。
夏休みなどの長期休暇は、日本語を集中的に習得できる最も良い時期。日本にできるだけ長く滞在することをお勧めします。しかし、米国にいながらでも日本語を使う時間を増やせば効果が期待できます。米国に暮らす子供が英語環境にいることで英語力が伸びるのと同じように、日本語環境にいる時間が長ければ長いほど日本語力は伸びるのです。
(2013年1月)
米日教育交流協議会 代表 丹羽筆人さん
日本の河合塾で十数年間にわたり受験生の指導、大学入試情報誌の編集、国際教育事業に携わる。米国では3州で補習校・学習塾講師を歴任。現在はデトロイト補習授業校講師。2006年に米日教育交流協議会を設立し、日本での日本語・日本文化体験学習のサマーキャンプを企画・運営するほか、北米を中心に帰国生入試情報提供と進学相談などを行う。
US-Japan Educational Exchange Council
TEL : 248-346-3818 http://ujeec.org/
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