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C-Corp、S-Corp、LLCの違いを教えて

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C-Corp、S-Corp、LLCの違いを教えて

< 回答者|米国公認会計士 松本孝之さん>

米国の事業形態にはいくつか種類がありますが、一般的に知られている株式会社であるC-Corporation(C-Corp)以外にも、S-Corporation(S-Corp)、Limited Liability Corporation(LLC)という形態があります。

C-CorpとS-Corp、LLCの大きな違いは、C-Corpが法人レベルで法人所得税が課税されるのに対し、S-Corp、LLCはPass-Through Entityと言い、課税は法人レベルで行われず、(※1)株主、あるいはメンバーなど、個人のレベルで課税されるのが特徴です。いずれの事業形態においても、純利益に対し所得税が課せられますが、LLCについてはSelf-Employment Taxと言い、Social Security Taxes(※2)が課せられることがC-Corp、S-Corpと異なります。つまり、事業形態により、課税の主体、また税金の種類が違うわけです。

一方、資本の集め方という観点からもそれぞれに違いがあります。例えば、C-Corpは普通株や優先株のように、違う種類の株式を発行できるのに対し、S-Corpは普通株しか発行できず、LLCは株式ではなく、Interest(権利)を売る形となります。また、C-CorpとLLCは米国居住者、非居住者にかかわらず株式、あるいはInterestを購入し保有することができますが、S-Corpの場合は米国居住者でなければ株主になれないという制約があります。

また利益分配の方法にも違いがあり、C-CorpとS-Corpは株式保有比率によって配当金の分配が決まるのに対し、LLCはInterestの保有比率にかかわらず、利益配分や損金分配の比率を、契約の際に違う比率で設定することも可能です。

ほかにも、各事業形態の設立や維持の規定、経営者の任命方法、資本の売買や移転に関する制約、あるいは確定申告の申告様式(C-Corpは1120、S-Corpは1120-S、LLCは1065または1040 Schedule C)など、さまざまな違いがあります。

(※1)州によって法人レベルで州税を課す場合もある。
(※2)Social Security Taxes:社会保障税。日本の社会保険料に相当。

(2013年2月)

回答者 米国公認会計士 松本孝之さん ワシントン州(#24318)、カリフォルニア州(#87962)


野森田米国公認会計事務所(Nagano & Morita, CPAs)でパートナー&シリコンバレー事務所責任者を務めた後、2005年4月にサンノゼで松本&アソシエーツ米国公認会計士事務所を開業。2006年1月よりベルビューに出張所を設置している。関西学院大学経済学部卒。

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