カレッジ・ファンディング 大学資金を貯めるのに効果的な方法は？

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カレッジ・ファンディング 大学資金を貯めるのに効果的な方法は？

＜ 回答者｜ファイナンシャル・プラン、保険等取り扱い　田口トレーシーさん >

実際にかかる学費はいくら？
大学の学費捻出は、親にとって頭の痛い課題です。子供が生まれたばかりの時は、大学入学までには長い時間があるように思えますが、昨今の学費の異常な高騰を考えると、18年間というのは、一般の家庭にとって、子供1人分の学費を貯めるのにもギリギリの時間です。

それではまず、学費はいくらかかるのでしょうか？全米平均で現在、4年制大学の1年分の学費（寮、食費込）は、公立22300ドル（州民）、35300ドル（州民以外）、私立43300ドルとなっています。ワシントン州のUniversity of Washington（以下UW）は、年22300ドル（州民）、オレゴン州のUniversity of Oregon（以下UO）は19500ドル（州民）、カリフォルニア州のUniversity of California, Los Angeles（以下UCLA）に州外から入学すると51000ドルです。

この金額を基に、今年生まれた子供が大学に入る18年後の学費を見積もると、年６%の高騰率で計算した場合、４年間で必要な金額は、UWが279000ドル、UOが243000ドル、UCLAが637900ドルとなります。

これらの金額を22年間で貯めるのに必要な積み立て月額は、年６%の利回りが得られる場合で、UWが580ドル、UOが510ドル、UCLAが1330ドルです。積み立て年数を22年間としたのは、子供が大学に入学してからも、卒業までの４年間積み立てを継続するからです。奨学金、補助金、援助制度などもありますから、必ずしも全額貯めることを目標にする必要はありませんが、まずはこのような数字を基にして目標額を決めることが大切です。

税務上、優遇される529 College Savings Plan
では、学費の貯め方ですが、税金の恩典のある方法で貯めることが重要です。最も利用されているのは、529 College Savings Plan。529というのは、IRSのセクション番号です。これを利用すると課税先送りで貯めることができ、将来使う時も、IRS規定の教育費に使う限りは非課税となります。

オレゴン州では、州がスポンサーする529 College Savings Planがあり、オレゴン州居住者がこれを利用すると、州の所得税申告をする際に、一定金額までを所得から控除できます。

ワシントン州の居住者は、州の所得税がないので、どの州の529 College Savings Planを利用しても、税金面では同じです。

そのほか、ワシントン州はGET （Guaranteed Education Tuition）という529 Prepaid Tuition Planを運営しています。ワシントン州居住者は、GETを利用して希望する数のユニットを一括、または分割払いで購入でき、将来、学費の高騰率に関係なく、ワシントン州で最も学費の高い公立大学の学費1年分を100ユニットで支払えるという制度です。

積み立て方法は比較検討して決定を
学費の積み立て方法は、このほかにもいくつかありますので、個々の家庭の事情により、どの方法が最適か、比較検討して決めることが重要です。

比較の要点は、税金面の取り扱い、学費援助を申請する場合にどう影響するか、親が口座の管理を継続できるのか否か、特定の子供の学費として使わなかった場合の受取人の変更、積み立て額の制限、運用方法の選択肢、維持費、所得制限などです。学費の捻出方法として、場合によっては、親のリタイアメント口座や、生命保険の積立金を担保にしたポリシーローンを利用することが理にかなう場合もあります。

私のお客様の中には、毎月25ドルずつ積み立てているシングルマザーの方もいます。25ドルでは足りないことがわかっていても、何もしないより少しでも貯めておいた方がいいことに間違いありません。まだ学費の準備をしていない方は、ぜひこの機会に考えてみてください。

（2013年3月）