最近、クラブ・ジャズまたはフューチャー・ジャズといったジャンルを良く聴いていて、Kyoto Jazz Massive(以下KJM)を始め、日本のクラブ・ジャズを聴き漁っています。 90年代は、クラブ・ミュージック全般を聴きたかったものの、あまりお店では詳しいジャンル分けがされてなくて、どれが良いのかわからなかったんですよね。今ほどに試聴のシステムも整っていなかったし、ネットで視聴するにもその環境がなかったし。電話線じゃね(笑)。ヒップホップなら中古で100円でもたまに良いものが売られていますが、クラブ・ミュージックは中古ではなかなか知ってるものが出てくれない。新譜だけしかなくて値段が高く、買う気がしなかったという理由もあります。 クラブ・ジャズがいいと思う理由。まず、ジャケットのデザインに惹かれます。仮にヒップホップなら本人が表にドカンと載ってなきゃいけないというルールがあり(LLCool J の所属するDef Jamレーベルなど)、どうしてもどれも似た感じ、またはアクの強いデザインになります。その点、テクノやクラブ・ミュージックは清潔感があったり、デザインを遊べたりして、自由な感じです。 このところ、日本に住む弟がクラブ・ミュージック関連の音楽をたくさん送ってくれて、好きだったけれど知らなかったジャンルが充実してきています。MastersAt WorkやBlue Sixなどのハウスは少しわかるのですが、クラブ・ジャズとなると……U.F.O.(United FutureOrganization)とかMondo Grossoとか?(これは違うかな?)。U.F.O.は綺麗過ぎて良くわかんないんですよね。でも現在までの最新作は良かったので、機会があれば買いたいです(日本盤なので高くて買わず、そのままだけど)。 で、ここ数年クラブ・ジャズを聴いて思ったのですが、「日本勢が強い」。というか良いです、好きです。「日本人だから好みが同調するのかな?」とも思いますが、ドイツのJazzanovaなども好きですけど、ジャズなのかどうかというと「?」な感じです。なんてこと言ってたら、「アシッド・ジャズやその他もろもろどうなるの!」って話ですけど。 クラブ・ジャズは、ジャズとは銘打っても、いろいろなジャンル──ジャズやソウルやボサノバその他──に精通したDJがそれらをジャズ調にミックスさせた、といった感じなのでしょうか。KJMはイギリスのアシッド・ジャズの影響下、兄弟で結成したそうです。よく他人の曲のリミックスを担当し、数年前にはKJM名義で海外のアーティストから提供された楽曲によるコンピレーション・アルバム「forKJM」をリリース。あれを聴いてると「ジャズをピアノとベースのみとか、トランペットを使うとか、そういった決まり事なく現代の機材で作ったら、こんな感じになるんだろうな」と感じたり、クラブ・ジャズと言われるのも納得できます。 「凄いなあ」と思うのは、クラブ・ミュージック全般に言えますが、イギリスを始め皆ワールドワイドな活動をしていることです。イギリスのDJの曲を日本でミックスしたり、その逆があったり。どういった経路でそうなるんだろう? 英語はどうしてるんだろう? KJMにおいては、ヨーロッパのクラブ・ミュージックのMix盤にどこでも彼らの名前を見ることができます。 先述のMondo Grossoこと大沢伸一さんは、94年のアルバム「Born Free」までKJMと共同でアルバム制作をしていたそうです。それ以降、どちらかと言うとブラック・ミュージック路線に入るのですが、ちょっと前に出した新作「NextWave」は、何かクラブ・ミュージックとして“やっちゃいけないことを全部やっちゃいました”みたいな感じでびっくりしました(好きな人ごめんなさい)。「既存の概念を壊したかったのかな」と思いましたが、「BornFree」の清潔感はKJMあってのものだったんだなあ、とも感じました。 僕が好きなのはそのKJMとJazztronikというグループで、Jazztronikは日本にいた時は、名前も聞いたことなかったなあ。リーダーの野崎良太さんは僕と大して歳も違わないのに、「凄い曲作るなあ……」と感動しました。ほかでああいった曲を聴いたこともなかったし。この2グループは共同でDJツアーへ出ているようで、先輩・後輩みたいな感じなのかな~。 東京や京都に住んでいたら、もっとクラブで聴けていたのかなあ……、シアトルに来てくれないかなあ(昔KJMは来たそうです)……と思ったりします。 |
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