悩みながらも、母乳をあげる 喜びを感じて欲しい | ▲母親の悩みを真剣に聞く、ミーティングでの光岡さん(中央) |
母乳育児をする母親達の情報交換の場 自分の悩みや育児法を紹介し、ほかの人達との情報交換を通じて自分にベストの母乳育児法を見つけ出す。お母さん達にそんな場を提供しているのが、母乳育児を促進する非営利団体『ラ・レーチェ・リーグ』(以下LLL)です。 リーダーである私の役割は、月に一度開催するミーティングで母親達の体験談を引き出しながら話し合いを進行し、お母さん達に自分の育児法について自信を持ってもらうことを目標としています。例えばトピックが「お乳の出の悪さ」であれば、皆がどう解決しているのかを話してもらいます。リーダーからは「こうしてください」という一方通行のアドバイスはしませんが、『LLL』には150種類ものトピックに及ぶ実用的なインフォメーション・シートも用意されているので、それを参考にすることもできます。また、私が直接電話で相談に乗ることもしています。 母乳をあげられる今を大切に 子供が生まれたらすぐに始まる授乳ですが、妊娠中は妊娠自体に関する悩みや不安でいっぱいのせいか、妊婦の方の参加は少なめです。それでも母になる心構えや母乳育児の方法を模索しながら、会を通じてお母さん方や会に連れて来られる赤ちゃん達の成長を見ていくことは、リーダーとしての喜びのひとつです。 会のスケジュールは「母乳育児の利点」「家族と赤ちゃん」「コツとヒント」「栄養と離乳」の4つのテーマに沿って行われますが、興味のある内容の時に気軽に来てもらえばいいと思います。「丈夫に育つ」「粉ミルクがいらないから経済的」という母乳の利点はもちろん、肌が直接触れ合うことによるお母さんと赤ちゃんのスキンシップの重要さ、そして母乳をあげられる今がどれほどに大切かということを“おっぱい”という側面を通して伝えられたらと思っています。 教師一家に生まれ、自然と教育の道へ 『LLL』のリーダーをするほか、教師の仕事もしています。母方の親族に教師が多かったので、教育者は職業選択の視野に入っていましたが、大学院の地球物理学科で海洋物理を勉強した後の進路は“観測船に乗ること”。「地球のことを知りたい」「夢のあることがしたい」と航海しながら海の観測をしていましたが、その後は東京の都立高校の新設にかかわったほか、女子高校の教師などの教育畑へ。 29歳で移り住んだカリフォルニアでは、全日制の学校『ロサンゼルス国際学園』で教鞭を執り、現在は『シアトル日本語補習学校』で中学・高校の理科を担当しています。『補習学校』の授業は週1回ですが、だからこそ真剣勝負。近所のおもちゃ屋で見つけた「竜巻を作る道具(液体が入ったプラスチック製のインテリア小物で、振ると竜巻のように液体が渦を巻く)」を始め、教材が家のあちこちにありますし、日々いろんな実験に明け暮れています(笑)。 (取材・文/編集部) | | ラ・レーチェ・リーグ リーダー 光岡いずみさん ’81年、夫とロサンゼルスに移住。長女誕生を機に病院で知った『ラ・レーチェ・リーグ』へ参加、その後日本人リーダーに。一方、日本語補習学校教師やベルビューの学校で日本文化を教えるなど、教育者としての顔も持つ。 |
【 ラ・レーチェ・リーグ 】 ’56年、シカゴで7人の母親が始めた母乳育児サポートの非営利団体。参加無料のミーティングは月1回『Group Health Cooperative Eastside Primary Care(2701 156th Ave. NE, Redmond)』で開催中。年会費$36。 問い合わせ先:425-869-5136(光岡さん宅) |
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