【心静かに座ることで体の中からリフレッシュ】 | ▲瞑想が行われる部屋 |
頭を空にして時を感じる、それがこの瞑想法 コミュニティー活動の一環として行っている『サンデー・モーニング・メディテーション』では、呼吸法を取り入れた瞑想『ヴィパッサナー・メディテーション』を希望者の皆さんと一緒に行っています。これは一般的に『内観瞑想法』と呼ばれ、体内に気を集中させて内観することによって、日常の悩みやストレス、ストレスが原因となる症状(鬱、高血圧、不眠など)を和らげるのに非常に効果があるんですよ。人間は生きていると常に頭をフル回転させている状態で、知らない間にストレスを溜め込んでしまいがち。大抵の人は「映画を見に行こう」とか「友達とお酒でも飲もう」と別の行動をすることで息抜きをしようとしますが、それではストレスや悩みの種を解決することにはならないんですね。一番良いのは「頭を休ませてあげること」。じつは寝ている間も頭は動いていて、休ませていることにはならないので、意識的に頭の中を切り替えてあげないといけない。……と口では簡単に言えても実行するのは難しい(笑)。そこで、呼吸法とウォーキングを取り入れ、それに意識を集中することで頭の中を無にするこの瞑想法の会を始めたのです。自分の体の中に意識を向け、今という時を感じて過去や未来を忘れ去ることがストレスの解消や心を穏やかにするために大切なのです。国籍、宗教、性別、年齢を問わず、興味があればどなたでも参加していただけます。 瞑想を通して学んだ異国で生きるための自立心 私は国際結婚で1977年に渡米したのですが、最初はやはりいろいろな文化の違いや言葉の壁があり、周りには頼れる友人もあまりおらず、日々たくさんのストレスを感じながら生活をしていました。離婚の経験、そして二人の幼い子供達を異国の地で、女手ひとつで育てなければならない、そんなストレスが重なり、ひどい鬱になってしまったのです。長い間気分と体調がすぐれず、当時の大学院の先輩に勧められた瞑想を試してみたところ、すごく楽になったんです。 瞑想は身体の中の治癒力を強化すると言われています。それ以来、毎朝4時に起きて瞑想をする習慣を続けていますが、おかげで今では心も体も非常に健康になり、風邪ひとつひかなくなりました。ポートランドにはたくさんの日本人の方がいらっしゃると思いますし、中には私のようにストレスを抱えている方もいらっしゃるのではと思います。そんな方々にこういう方法もあるんだよ、という紹介をさせていただきたい── そんな思いからこの『サンデー・モーニング・メディテーション』を立ち上げました。 普段の生活では時間に追われ、心静かに座って自分の内側を見つめることはなかなかできないもの。でも真の意味で自立して、孤独と立ち向かって異国の地で生きるためには、時に心静かに自分を内観することが重要なんですよ。皆さんが少しでもハッピーになれるお手伝いができたら光栄ですね。(取材・文/純子バイス)
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