筆者に会いたいと切望する従兄弟を連れて来た友人と、バーで飲んだことがありました。その従兄弟、リックはモンタナの出身。モンタナというと、カウボーイ・ハットを被り、野原を馬で駆け抜けていく典型的なRedNeckのイメージしかなかったのですが、この男はとにかく大きかった! 推定2メートル以上の身長にがっちりした体。筆者のようなチビ(ちょっと背伸びしてやっと170センチ?)から見ると、首が上を向いたまま元の位置に戻って来ない! どんな男なのか不安に思っているといきなり、 「モウカリマッカ?」 一瞬何が起こったのかわからずに、とりあえず大阪人のDNAに含まれている正しい答え、 「ぼちぼちでんな」 とひと言。実はこのリック、大の日本好き! 大学では4年間日本語を勉強し、一般会話くらいならなんとかこなせてました。しかしこの大男、日本は好きでも飛行機は大の苦手。体の大きさと反比例して高所恐怖症! 「とてもじゃないけど日本まで飛行機の中で落ち着いていられない」と心の底から言っていました。 だから彼の頭の中での日本という国は、TwistedView以外の何ものでもなく、ずっと筆者に質問攻め。彼のオーダーしたカクテルは、座って1時間経って半分も減っていなかった! 主な質問の内容はというと、日本発のHighTech Gizmo。日本では一般人でも、アメリカの大企業が使うようなテクノロジーを使っていると聞いたが本当か? 日本の携帯電話は赤外線カメラが付いている? 日本のビジネスマンは毎日新幹線に乗り、座ってChillしながら遠距離から通勤している? うーん、確かに一般人でも高性能なものを持っている場合もあるが……。新幹線に乗って優雅に? 確かに長野あたりに一軒家を買って東京まで通勤している人もいるらしいけど、一般サラリーマンはラッシュの電車で押しつぶされているし……。ラッシュの電車にあの大男を詰め込んでみたい! まあ、背が高いから空気は吸えるだろうけどね。 わいわいと2時間ほどしゃべってチェックをもらい(もちろんGoDutch!)、外へ出てほっとひと息入れたところで車を停めている駐車場へ。やっと開放された!とリラックスしている時、リックの口から坂本九の「上を向いて歩こう」が。しかも歌詞が微妙に間違っている! 結局、懐かしいリズムと斬新な歌詞を聴き、笑いをこらえながら不思議な座談会は終わりました。ちなみにこのリック、同じ調子でメールを週3件のペースで送ってきています。さて……どうしたらいいのか。 ●Red Neck 赤い首!ではなく、無学な白人の労働者を指す言葉。白人の荒くれ者を指す時にも使う ●Twisted View ねじ曲がった見方、偏見 ●High Tech Gizmo High Techは「ハイテク」、Gizmoは「仕掛け、名のわからぬ物」という意味だが、組み合わせると「高性能の電子機器」となる ●Chill 「寒い」という意味が有名。でも、この場合は「ゆったりと」 ●Go Dutch 割り勘という意味。別にオランダやどっかには行きません! 岩坂ライアン隆平 8歳に渡米、12歳で日本に戻り、関西学院中等部入学。しかし休学扱いで再びアメリカへ渡り、2年間を米国の中学、高校で過ごす。関西学院中等部3年として帰国して関西学院高等部に入学するが、アメリカが恋しくなり再々渡米。高校卒業後はエドモンズ・コミュニティー・カレッジへ。現在、e’s Group Services, Inc.のマネージャーとして家庭教師派遣、J-1ビザ取得代行業、貿易などを行っている。趣味は車とゴルフの22歳。 |
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