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ストレス・フリーな心と体を作る習慣

ストレス・フリーな心と体を作る習慣生活習慣を少し修正するだけで、どんどん輝く自分になって、人生も変えられる!? アスリートにヨガを指導する運動科学のエキスパートが伝授する、身も心も美しくなるメソッド。

 

第1回 上手に息を吐いてイライラ解消!

 

今、あなたはどんな呼吸をしていますか? どこで呼吸を感じていますか? おなか? 背中? 胸?お尻? 頭の中? 右側? 左側? 吐く息と吸う息の深さ、長さはどうですか? 普段、無意識に行われる呼吸。呼吸を意識するだけで、あなたの生き方が変わると言われたらどう思いますか?
呼吸は感情と深く関係しています。ストレスの高い人は呼吸が浅く、みぞおちが硬くなっています。よく神経が高ぶったり、ストレスがたまったりすると、胃がキリキリするって言いますよね? それは自律神経のうち、興奮や緊張と関係する交感神経が過剰に働くことにより、呼吸が浅くなり、内臓への血流が低下し、みぞおち付近の緊張が高くなるからです。
感情のコントロールが上手な人は、自分の呼吸の動きを上手に感じ、必要に応じて呼吸を操る大切さを知っています。イライラしている時、ほんの少しだけ自分の呼吸を観察してみてください。浅くなったり速くなったりしていませんか? こんなに怒りたくないのに、なぜか怒りを止められない自分がいる時、呼吸が速くなったり息を止めたりしていませんか? そんな時は、あばら骨を風船のように膨らますように息を大きく吸って、はぁ~と大きく吐いてみましょう。
呼吸で大切なのは深く息を吐くこと。そうすれば自然と息は体に戻ってきます。1日に数回、体という風船から、空気をすべて絞り出すように息を吐いてみましょう。呼吸は感情を表すもの。呼吸が安定すれば身も心もひとつになれるはずです。
次回は簡単な呼吸のエクササイズをご紹介します。

 

第2回 呼吸でシェイプアップとアンチエイジング

 

最近、呼吸が苦しい、なかなか痩せない、なんて思うことはないですか? 年齢と共に胸郭の柔軟性が低下すると、呼吸が浅くなると同時に、硬直した胸郭の影響で代謝が低下し、隙間に脂肪がたまっていきます。朝は深呼吸と共に胸郭を大きく動かして、さわやかに1日を始めてみましょう。無理をせずに、呼吸を常に感じながら動いてみてください。

1.両膝を合わせて、かかとの間に腰を下ろします。お尻の下には、丸めたタオルなどを入れてください。タオルの上に、両坐骨が均等に乗り、骨盤、肩、頭が1直線になるように。手の力を楽にして、自然に呼吸を繰り返します。体の中の、どこまで呼吸を感じていますか?どんな音をしていますか? 今の自分の呼吸を聞いてみましょう。

2.指先が膝と同じラインにそろうように両手の平をサイドに置きます。軽く息を吐き、ゆっくりと床を押しながら、おへそを背骨に押し戻す感覚で、おでこが膝に付くように背骨を丸めていきましょう。背骨が天井に向かって大きく開くのを意識し、常に手の平で床を押すのを忘れずに。自分の背骨のどこが柔らかいのか、硬いのか感じてみてください。

3. をしっかり吐き切ったら、息を吸いながら、背骨のひとつひとつを組み立てる(積み上げる)ように上体を起こします。親指から手の平を後ろに向けるように腕を外にひねりながら広げ、胸の前を開いていきましょう。軽く上を見上げ、さらに深く息を吸ってください。吸い切ったら、再び手の平を床に付けて息を吐き、最初の動作に戻ります。8回行いましょう。

 

コレはNG!

お尻が上がってしまい、背中が真っ直ぐ、上体が前に伸びています。おでこと膝は付かなくてもOKですが、おへそや胸骨を背中に近付けるように背骨を丸めましょう。

 

第3回 上手に息を吐いてイライラ解消!

 

さて実験です。下を向いて笑ってみてください。
もうひとつ実験です。万歳をして泣き顔を作ってみてください。
どちらも不自然な感じがしませんか?
ほんの少し頭の位置、体の位置が変わっただけで、気持ちのあり方が変わります。私達の体は自然と感情に伴うようになっているのです。とぼとぼ歩く、というと頭を垂れて落胆して歩いているイメージ。闊歩する(さっそうと歩く)というと、自信満々に胸を張って歩いているイメージ。
体の仕組みからその姿勢を見てみると、胸の位置が後ろに下がり頭が下を向くことで、吐く呼吸が強制され、リラックス神経である副交感神経が働き始めます。胸を広げ頭が上がることで、より肺へ呼吸が多く入り、活動的な交感神経が働き始めます。これが、姿勢と気持ちがつながっているひとつの理由。
肩が丸まり、背中の上のほうが丸まってくると、呼吸は入りづらくなり、慢性的に副交感神経が過剰に働くことになります。その姿勢を継続すると、常に気持ちが落ち込んだり、頑張る気持ちがわいてこなかったりという状況が生まれるのです。肩が上がった状態の人は、呼吸が肺の上のほうにしか届かず、浅い呼吸により横隔膜という呼吸の筋肉が働かずに常にイライラ。イカリ肩という言葉がぴったり。
大きく息を吸って、肩を一緒に持ち上げてみましょう。そして肩を後ろに大きく回し、胸を開くようにして円を描き、息を吐いて下ろしてみましょう。自分の骨盤の上に頭を真っ直ぐのせるイメージで立ってみてください。大切なのはイメージをすること。体はイメージによって大きく変わります。自分で「素敵だな」と思える姿勢を、毎日イメージして。きっと素敵な姿勢(あなた)になれるはず。

 

第4回 足裏から大地のエネルギーを体に取り込む

 

行動的になる夏。毎日忙しく、自分の体と向き合う時間もないまま日々を過ごしていませんか? あわただしい生活では、体が前に傾き、胸の周りの緊張が高くなりがち。そうすると呼吸が浅くなり、自律神経が乱れ、冬場の冷えの原因となります。青空に向かって胸を大きく広げ、下半身のエクササイズでエネルギー・アップを図りましょう。

1.足幅をこぶしひとつ分空けて立ち、かかとの上に骨盤、肩、頭が1直線になるよう意識しましょう。胸の前で合掌をして、呼吸をゆったりと感じてください。足裏は大地に、頭頂は空に向かうイメージです。

2.鼻から息を吸い、ゆっくりと手を天に向けて伸ばします。可能なら同時に、胸と喉元を開くようにして顔を真上に向けましょう。呼吸するたびに足先から手の平にエネルギーを届けるイメージで深呼吸を。

3. 息を吐き、腰を引きながらゆっくり膝を曲げていきます。顔は前でも上でも、呼吸が楽にできる向きに。次に吸う時に膝を伸ばし(②)、吐く息で合掌の位置を胸の前に戻します(①)。この流れを5セット行いましょう。

 

コレはNG!

腕を上に伸ばす時(②)に反り腰にならないように。体の軸はできるだけ最初(①)と同じ位置が理想です。腰がそり気味な人は、肋骨の前側が地面と垂直になるように意識して手を伸ばしてみましょう。

 

第5回 足に現れる心の安定度

 

足は体と心の状態を、さまざまな症状で教えてくれます。

足裏の縦のアーチがなくなる偏平足、横のアーチがなくなる開帳足。親指が人差し指の方向に曲がる外反母趾、反対に小指が薬指のほうに曲がる内反小指、曲がった足指の関節、そして足のタコや靴擦れもあります。これらの症状の多くは、間違った靴選びや乱れた歩行が原因。少しずつ正しい足の使い方と自分の足を知ることで、症状は軽減されていきます。

常に地面に接地している足は、私達の体の土台。安定していないと、その上にのっかる体は不安定になります。前述したような症状がある人の多くは、不安定な足の上で体のバランスを保つために体の緊張が高く、呼吸が浅くなり、疲労をためやすいという傾向が。体の緊張と浅い呼吸は交感神経の過剰な働きを促進し、気持ちを不安定にさせます。イライラしたり、小さなことが気になったり、すぐに落ち込んだり。また、足が上手に使えないということは、下肢に流れた血液のポンプ機能が低下し、代謝の鈍化から身体の冷えを引き起こして、倦怠感などをまねく原因となります。

第2の心臓と言われ、身体の土台である足をケアすることが、健康で穏やかな生活の第1歩。まずは、今夜寝る前に、自分の足先から足裏までをゆっくりと感謝の気持ちを込めて触ってあげてください。そして、足の指をピアノを弾くように動かしてみましょう。立つ時は、かかとの上にすねの骨がのっかっているのを感じて、足裏全体を優しく地面に感じてみましょう。体が安定してくるはずです。

次回は足裏を意識したポーズをお届けします。

 

第6回 足裏から身体を感じる

 

足は第2の心臓。実際、体のさまざまな変調は、足の関節、筋肉の硬直で感じることが可能です。足の関節、足の間の筋肉、ひとつひとつが自由に動く感覚が持てれば、身体の不調の多くは軽減させることができます。今回は、足の骨を感じながら動いてみましょう。常に足裏から太ももの関節がつながって動くのをイメージするのがポイントです。

1.足を肩幅より広め、バランスが取りやすい幅に開き、つま先を外に向けます。姿勢を正し、足の真ん中に背骨が垂直になるように、また、頭がその上にのっかっているのをイメージしましょう。

2.右足かかとを上げ、甲を伸ばすようにして重心を右足へ。全足指を床に押し付け、付け根ひとつひとつの骨を感じてください。曲げた膝は足先と同じ向きに、呼吸は大きく。①のポジションに戻り、反対側も同様に。3~5セット行います。

3. ①のポジションから息を吸いながら、空気を持ち上げるように両手を上げ、同時に腰も落としていきます。太ももの骨を後ろにひねるように、息を吸いながらゆっくりと、膝をつま先と同じ向きに曲げて。かかとと薬指のラインに体重を感じてみましょう。息を吸い終わった時に④のポジションになるように。可能なら、軽く上を向いてみましょう。息を吐きながら膝を伸ばし、合掌した手を胸の前に下ろします(⑤)。5~8セット繰り返してください。

 

 

第7回 あなたの胸は自由ですか?

 

首の痛み、肩の痛み、腰の痛み。実は胸の動きが関係しているって知っていますか?

胸の骨は肋骨とつながり、そして背骨につながっています。胸の骨を意識しないということは、背骨の動きを制限してしまうこと。動かしている関節に負担が掛かり、痛みとなって現れます。

代謝の低下、顔のくすみ、身体のむくみ、慢性的な疲労。これも胸の周囲の動きと関係があります。

胸の周り、わきの下には大きなリンパ節があり、全身から集まった老廃物を吸収排泄し、身体の免疫力を保つ大切な役割をしています。胸の周囲の動きが硬くなると、リンパ液の流れが悪くなり、体内に老廃物が停滞し、身体の冷えやむくみの原因となるのです。

手の平を胸骨の中心に当ててみましょう。息を吸うと胸骨が手の平を前に押し、息を吐くと手の平が胸骨に入り込むようにゆっくりと呼吸をしてみてください。

そして、頭や腰を動かす時には、胸の骨にも意識を置いて。胸の骨は一緒に動いてくれていますか?例えば、首だけを動かしていると、負担がその周辺に集中し、痛みにつながります。

冬に向け、代謝が悪くなるこの季節、胸の周りと鎖骨の下を手の平でさするように温めてリンパの流れを良くしてあげましょう。

次回は胸の動きを自由にしてリンパの流れを良くするポーズを紹介します。

 

第8回 胸を開いて気持ちも代謝もアップ

 

寒いとつい背中が丸くなり胸が縮みがち。これでは呼吸が浅くなってリンパの流れも低下し、体の代謝が落ちます。冬場の体重増加は、体がエネルギーを蓄積して自らを守ろうとする行為ですが、体を動かすことにより予防は可能。リンパの流れを意識した運動は、春先のアレルギー症状軽減にも効果が。体がじんわり温かくなったら、リンパの流れも促進された証拠です。

1.片膝立ちになり、胸の前で合掌します。前の膝の下にかかと、後ろの骨盤の下に膝。おへそを前の膝の方向に向け背筋を伸ばしましょう。深い呼吸を意識しながら、常に背骨を長く保つことを意識して。

2.息を吸いながら合掌した手を天井に上げ、少しずつ体重を前に移動。ゆっくりと動かしていきましょう。可能なら軽く上を見上げて。息を吐きながら前足裏で床を押しつつ体を最初の位置に戻します。8~10回繰り返し、反対の足も行います。

3. 片膝立ちになった状態からお尻を締め、ゆっくりと息を吐きながら前足側に体をひねりましょう。後ろ足の太もも前側が伸び、肋骨周りの緊張と弛緩を感じて。そのまま深く呼吸できるようになったら元の位置へ。反対の足も同様に。

※コレもトライ!
すね内側にはホルモン分泌に関係するツボがたくさんあります。すね内側を、膝の下からくるぶしの上まで、ところどころ押しながらさすりましょう。①~③を行う前に、左右の足、どちらも行います。

 

第9回 腰は体の要,腹が心の安定を作る

 

「人生で1度は腰痛になる」と言われるくらい、直立歩行を始めた私達人間は腰痛が身近に存在します。

腰痛の原因はさまざまですが、ほとんどが生活の中での習慣的な間違った動作、同じ動作の繰り返しによる体への負担が大きな原因となっています。つまり、腰痛は自分の意識次第で予防することが可能です。

腰痛予防には腹筋運動が良いとよく言われますが、正確に言うと腹部の表面的な筋肉ではなく、腹部奥の背骨の脇にある筋肉を意識することが大切。肚(はら)が据わる、肚を決めるなどという言葉がありますが、おなかは気持ちを安定させるためにも非常に大切な役割をしているのです。

足裏の安定が心の安定につながりますが、その始まりは腹部にあります。これを東洋では臍下丹田(せいかたんでん)と呼んでいますが、最近の研究では、足の体重移動をする前に、腹部の筋肉が働き始めることがわかってきました。腹部でしっかりと体を誘導できないと、膝、足首などに痛みが出ると同時に、上半身を支える腰への負担が増え、文字通り、腰抜け状態になってしまいます。

へその下の筋肉を、前後から体の内側に寄せ集めるように、少し意識をして生活してみましょう。きっと腰も軽くなりますし、心も安定してくるはずです。

 

第10回 腹を緩め、腰に力を取り戻す

 

寒さと共に、運動不足から腰痛を覚える人が増えてくる時期となりました。また、食べ過ぎによる胃腸の負担から腰痛が出ることもあります。さまざまな原因がある腰痛ですが、大切なのは腹回りの余分な緊張を解き、そして腹部の内側深くに力を集めること。今回は簡単な腰痛軽減のためのポーズを紹介します。①は集中力向上に、②は心の安定にも効果が。状況に応じて使い分けてみてください。次回は春に向けての体作りです。

1.うつぶせになり、がに股に開いた両足裏を合わせます。息を吐きながら両足裏を押し合うようにして、そのままお尻側に引き寄せ、同時につま先を天井に向けましょう。背骨脇の骨盤の上辺りに力が集まっているのをイメージしてください。息を吸って足を緩め、再び吐きながら足裏を押し合い、かかとを引き寄せましょう。3回ほど行います。

2.いす(または台など)を用意。手を伸ばすと、いすの足が持てるくらいの位置で仰向けになります。ゆっくりと両膝を胸まで引き寄せながら、お尻を持ち上げ、そのまま足をいすにのせてください。両手は腰に、肩の上に骨盤がのるイメージで腰を少し引き上げましょう。腰回りに張りを感じる人は、膝を軽く曲げたところから始めてください。呼吸をゆっくり繰り返しながら20~30秒くらいそのままで。女性は、生理が重い日には避けてください。

山本邦子, MS, ATC 全米協会認定アスレティックトレーナー。A-Yoga主宰。カンザス大学アスレティックトレーニング学で学士号、運動力学、スポーツ経営管理学で修士号を取得。劇団四季初の健康管理システムを構築、プロアスリート、一般へのA-Yoga指導などを行う。著書に『アスリート新化論』『なぜヨガをやる女性はすっぴんでも美しいのか?』『カラダXココロ改善計画』がある。