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【私の転機】Lewman Vineyard オーナー ルーマン薫さん

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シアトルやポートランドで活躍する方々に人生の転機についてインタビュー

ウィラメット・バレーに日本人女性がオーナーのワイナリーがあります。Japanese Cultural Societyのオーガナイザーとしての顔も持つルーマン薫さんにこれまでの転機を伺いました。(2016年3月)

Lewman Vineyard オーナー ルーマン薫さん
ルーマン薫(るーまん・かおる)
愛知県出身。日本での英語教室経営を経て、2002年、結婚を機に渡米。Lewman Vineyardで働き始める。10年、音楽、食、アートなど日本文化を通した人と人との交流を目的にJapanese Cultural Societyを設立。同団体のオーガナイザーを務める。Lewman VineyardJapanese Cultural Society

私の転機は今の主人に出会ったことでしょう。前の主人を急な事故で亡くして落ち込んでいた頃、私が趣味で育てた大きなカボチャをハロウィン用に取りに来たインターナショナル・スクールの先生が今の主人です。彼はオレゴンで教師の傍らブドウを作っていて、当時は離婚して単身で来日していました。私は英語塾を経営していましたが、寂しい者同士、アメリカで暮らそうと決断。日本にいると、どこにいても前の主人を思い出してしまうので、心機一転、アメリカでやり直したい気持ちもありました。

– オレゴンで始めた 2つの挑戦  
ブドウ栽培は見よう見まねで覚えました。日本でも家庭菜園は好きでしたから農作業は自分に向いていたのだと思います。主人は近隣のワイナリーに向けブドウの生産と販売だけを行っていましたが、私が渡米した02年からワイン作りとオープン・ハウスを始めました。お客様からの質問のおかげで少しずつ勉強できたと思います。
 
主人は理科の教師で、生き物が大好き。自然や生き物を大事にしたいことから、手間はかかりますがオーガニック農法で栽培しています。初めて作ったワインが雑誌で高い評価をいただけたのは、ブドウが良かったからでしょう。主人が工夫した、根が土のミネラルをよく吸う植え方が、ここの風土や使用している地下水と合ったのだと思います。少しずつ畑を広げ、今年から赤ワインに加え、白ワインも作るようになりました。
 
実は、ワインの仕事以上に忙しいのが「ジャパニーズ・カルチュラル・ソサエティー(JCS)」の活動です。ある時、高齢の日本人女性が集まる会の30周年をうちのワイナリーでお祝いしました。こうして人が集まれる機会を作りたい、せっかくなら人種、宗教、職業や年齢に関係無く、広く楽しく集まれる場をと考えるようになり、日本文化を通じて人が集まる場としてJCSを設立しました。
 
渡米当時、子どもがなく、学校にも行かなかった私は、ブドウ畑のある丘の上に1人で、友達を作るきっかけがなかなかなかったんです。昔の私のような人に出会いの場を作りたい思いもありました。2010年に発足し、翌年に東日本大震災が発生。チャリティー・イベントを重ねるうちに団体は大きくなっていきました。

– ワイナリーが 人々の交流の場
うちのワイナリーはオレゴン各地からアクセスも良く、盆踊りの練習ができるほど広いから駐車場に困らないし、子連れでも、犬を連れて来ても構いません。ワイナリーって人が集まるのににぴったりなんです。JCSを手伝ってくれる方も増えてきたので、今後もできるだけ続けていきたいですね。今は、3月にセーラムで開催する桜まつりの運営準備で飛び回っています。
 
また、昨年、主人が教師を引退しました。これからはテイスティング・ルームの開催日を増やし、よりたくさんの人に来て頂きたいと思っています。まずは、メモリアルデー・ウィークエンドに規模の大きなオープン・ハウスを企画中です。
 
テイスティング・ルームでも、JCSの集まりでも、みんながうちのワイナリーに集まって、ここで一緒にいろいろできることが、今はすごくハッピーです。

Lewman Vineyard オーナー ルーマン薫さん
▲ JCSで参加した14年のWorld Beat Festivalでの一コマ。和太鼓も趣味の一つです(薫さんは前列左端)
 
*情報は2016年3月現在のものです