シアトルやポートランドで活躍する方々に人生の転機についてインタビュー
■ 最近、日本でポートランドが流行しているのをご存知ですか?影の仕掛人は、ポートランド観光協会アジア担当のジェフさん。生粋のポートランディアであるジェフさんに転機を伺いました。(2014年8月)
ポートランド生まれ。79年パシフィック大学卒業。81年文部省イングリッシュフェローを機に来日。コピーライターなどを経て、PBS Nightly Business ReportやDiscovery Channelの「ワールド・モニター」などニュースやドキュメンタリー番組に携わる。91年に帰国し、フリーで日本関係のテレビ番組制作に携わった後、99年3月から現職。
生まれ育ちはポートランドです。高校時代、禅の本を読んで自分の性格に合う考え方で面白いと思い、高校に日本語の授業があったので、日本語の勉強も始めました。その後、日本で1年過ごすカリキュラムのある大学に進学。京都でホームステイや、奈良の禅寺で修行をしました。日本には最初からなじめて、最高な所だと思いましたね。
卒業後は、サンフランシスコで日本語旅行ガイド、日本で英語教師、コピーライターの仕事などをしました。1番長いのはテレビの仕事。東京でアメリカのニュースやドキュメンタリー番組の放送をプロデュースしたりしました。アジア局長として、週5日、東京、ロンドン、ボストンとワシントンDCを生中継でつなぐ国際ニュース番組を担当したこともありましたね。この仕事があまりにも忙しかったのと、妻の希望もあり、91年に帰国。92年からは地元で日本関係のテレビ番組制作などをしていました。
– 恩師が紹介してくれた 自分にぴったりの仕事
99年、高校時代の日本語の先生がオレゴンの旅行代理店の社長になっていて、観光協会がアジア担当者を探しているからと、この仕事を紹介してもらいました。大きな転機です。今までいろんな所に住んだけど、ポートランドより良い所があるとは思いません。大好きな日本との関係も、大好きなポートランドとの関係も続けられる。私にぴったりの仕事です。自然が近くて、街が歩きやすくて、新鮮でオーガニックの農畜産物があって、ゆっくりできる、こうしなきゃいけないなんて考え方のない自由な場所。良いものがある場所だから日本に紹介したかったんです。
ところが、ここには日本の旅行代理店のパッケージ旅行が求めるような、たくさん人の集まるショーもギャンブルもありません。それに日本はバブル崩壊後、集団で動き、写真を撮り、お土産を買って帰る旅行の形は卒業したはずです。自分の生活に意味のある場所に行きたいと思い始めている。
日本人にどうしたらここの良さを分かってもらえるか? 旅行業界ではなく、報道を通してポートランドの良さを知らせようと思いました。こちらで旅行プランを作り、日本の報道を招待したんです。数年くらい前からだんだん日本の取材が来るようになりました。A社が取り上げると、B社が来て、その後にC社、D社って、あちこちからね。おかげで、日本からの旅行者が増えているようです。
この前のゴールデンウィーク中、ポートランドで日本人をたくさん見ました。自分の関わった雑誌を持った日本人を見るとうれしいです。
– どうポートランドを 成長させていくか?
でも、いっぱい人が来過ぎたら、それも困るんですよね。だから、これからどうやってサステイナブルにやっていくかが目標です。LAやラスベガスのような大型観光都市にならないような持続可能な成長の仕方。成長していく中で、コミュニティを大事にしながら、どうやって良いところを無くさないで続けていくか考えていきたいですね。
いまだにシアトルやLAの日本人から「日本でポートランドが流行?なんで?」とか言われるんですよ。在米日本人にも来ていただいて、ポートランドの良さを味わってほしいです。
▲ 今夏は、名古屋のラジオ局とコラボしたツアーを予定。打ち合わせ中の1コマ
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