シアトルやポートランドで活躍する方々に人生の転機についてインタビュー
■ 11月6日、ベルビュー・スクエアにユニクロがオープンします。シアトル・エリアマネージャーとして、ベルビュー店の開店準備に携わる吉本奈奈さんに、これまでの転機をうかがいました。(2015年11月)
京都府出身。立命館大学卒業後、2004年株式会社ファーストリテイリング入社。千葉県内や東北地方各地でユニクロ店長職などを経て、10年NYへ異動。5番街と34丁目のフラッグシップストアオープンに社員教育などで携わり、その後、12年サンフランシスコ、14年にLAの新規出店にエリアマネージャーとして携わる。15年7月より現職。www.uniqlo.com
大学では国際関係を学び、卒業後は商社などに就職して海外で働きたかったのですが、不景気で就職先が無く、唯一採用してくれたのがユニクロ(ファーストリテイリング)でした。「希望する職種でないかもしれないけど、これから海外に出ていく会社なので、やりたいことができるかもしれない」と採用の連絡をもらったんです。
新入社員初日は店の掃除から始まりました。「全てをクリーンに」をはじめとする会社の基本方針はそこで教えられたと思います。千葉県内で経験を積み、店長になると東北へ。店舗の業績と顧客満足度を上げるたび規模が大きい店に異動となり、それを繰り返して東北地方全県を回りました。
そして2009年に店長として仙台にて初めて迎えた大型店オープン。これがスタッフ教育、店の環境、売上、何もかも失敗で…。当時の私はイライラすると周りに当たるなど、皆が気持ち良く働く環境を作れませんでした。店を立て直すこともできず、この仕事に向いてないと思い詰め、退職まで考えたんです。その時、上司に「環境を変えては?」と提案されたのが突然のNYへの転勤。海外に興味があることを上司は覚えていてくれたのです。仕事に自信がないから不安で悩みました。けれど、逃げるように退職するのは嫌なので、チャレンジしてダメなら辞めると覚悟を決め、渡米したんです。
– NYで変えられた 気持ちと仕事観
NYへの異動は転機になりました。それまでは自分のキャリアばかり考えて働いてきたのですが、「ユニクロを経験したことのないアメリカ人達にどう共感し、頑張ってもらうか?」を考え抜くうち、自分の部下が会社の核となり会社が成長していくことの重要性に気付き、自分の仕事の重大さや意味を考えるようになったんです。NYのスタッフはアメリカでまだあまり大きくないユニクロを信じ、エネルギーがあって前向き。彼らの頑張る姿を見て、私は彼らの成功のために上司としてもっと頑張らねばと、仙台以来落ち込んでた気持ちが前向きに変わりました。
NYで2店舗を開け、サンフランシスコ、LAを経てシアトルへ。ユニクロは若いリーダーに、現状維持ではなく、チャレンジの機会を与え続ける会社です。「新規地域でリーダーとして挑戦してみたい」と志願すると、30代前半の私にシアトルを任せてくれることになりました。
– ベルビューから望む ユニクロの今後
ユニクロの強みのひとつは現場の声を重要視すること。ここに住み、見て、話し感じたことを売り場に反映できるんです。例えば、ベルビューでは、雨期を考慮してヒートテックや小さく持ち歩ける防水アウターの在庫をしっかり確保する予定です。洋服をリーズナブルに提供し、生活を良い方向に変えていくことが私たちの使命ですから。
開店後は、毎日売り場に立ちます。スタッフの手本となり、接客、レジ打ち、掃除もしますよ。ユニクロはグループ売上5兆円のアパレル世界一を目指しています。そのためにアメリカは重要な市場で、ベルビューの成功は必須です。ここが成功したら、ノースウエストに店舗を増やし、いずれはカナダにも。今、その第一線で働くのはワクワクするし面白いです。
▲ 仕事観が変わったNY店長トレーニングで、スタッフ達と共に記念撮影(吉本さんは下段左端)
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