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【私の転機】Portland Coffee Roastersマーケティングマネージャー ラファウンテン美奈さん

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シアトルやポートランドで活躍する方々に人生の転機についてインタビュー

1月にブランドリニューアルをしたPortland Coffee Roastersで、マーケティング担当として働く美奈さん。NIKEの広告担当や、パティシエを経て現職に就くまでの転機を伺いました。(2019年11月)

Portland Coffee Roastersマーケティングマネージャー ラファウンテン美奈さん
ラファウンテン美奈(らふぁうんてん・みな)

新潟県出身。青山学院大学文学部英米文学科卒業後、外資系広告代理店に入社。結婚を機に渡米。1997年よりNIKEでラテンアメリカやアジアのマーケティングを担当。その後、ル・コルドンブルーで製菓を学び、06年ポートランドのSt. Honoré Bakeryに就職。2019年にPortland Roasting Coffeeに就職。(Web: PortlandCoffeeRoasters.com

昔から英語や言葉に興味があり、映画の翻訳家に憧れて、大学では英米文学を専攻しました。学費を自分で払うため、在学中はさまざまなアルバイトを体験。その中でマーケティングに興味を持ち、外資系広告代理店に就職しました。そして数年後にアメリカ人と結婚。テキサスのオースティンで出産し、しばらくは子育て中心の生活をしていました。

その後、夫の仕事の都合でポートランドへ引っ越し、子育てが落ち着いたので、地元企業のNIKEで仕事を始めたのです。

– マーケティング職からパティシエに転身
最初の5年で担当したのはラテンアメリカの国に向けた広告です。2002年の日韓共催サッカーW杯では会期中にブラジルに飛び、優勝決定後に流すCMを急遽制作して待機。ブラジルの優勝が決まった直後に、テレビでお祝いのブランドCMを流しました。このCMは、W杯期間中にブラジルで流れたCMの人気投票で1位を獲得。NIKEには8年在籍し、世界中を飛び回りました。CMは200本以上制作し、オリンピックとW杯の仕事はそれぞれ2回あり、とてもいい経験になりました。でもやりたい事は全部やれた気がしたので退社を決意したのです。

そして次に自分がやりたい事は何なのか考えた結果、心機一転、料理学校のル・コルドンブルーで製菓を学ぶことに。これも転機ですね。実は子どもの頃からお菓子は作るのも食べるのも大好き。修了後は新潟の洋菓子店での修行を経て、ポートランドのSt. Honoré Bakeryにパティシエとして就職しました。ところが、3年後に交通事故に遭い、体力仕事のパティシエの仕事を続けることが難しくなってしまったのです。そこで、店のマーケティング職に転身しました。街のパン屋なので、NIKEと規模は違いますが、マーケティングの基本は同じ。広告とパティシエ、両方の経験が役立ち、新商品開発や新規事業開拓、ケータリングのメニュー考案など、今までやってきたこと全てを注ぎ込みました。就職時に1店舗だったお店は、退職時には4店舗に。12年にわたり、お店の拡大に携わりました。

– 新天地のロースターで手掛けたいこと
そして今年、ポートランド資本としては最大規模のコーヒー会社Portland Roasting Coffeeに転職しました。ここは、農家から生豆を直接買って安定した価格を保証するだけでなく、現地で下水処理施設建設の支援をしたり、農学校の支援をしたり、サステナビリティーという言葉が広まる前から生産者の生活向上や人道的支援に社を挙げて取り組んできたんです。しかも、不言実行でこれまでそれをPRしてこなかったとか。こんな面白い会社があるのかと驚き、魅力を感じました。野茂英雄さんが経営するカフェに豆を卸したり、副社長は以前、福岡でカフェを経営していたり、何かと日本に縁のある会社なんですよ。

今はマーケティング担当として、11月から「Portland Coffee Roasters」となるブランド名とロゴ、パッケージやウェブサイトの準備に追われています。来春からはカフェとロースタリーでコーヒーのクラスや体験イベントを始める予定です。今までの経験を生かし、この会社でいろいろと挑戦してみたいです。

Portland Coffee Roastersマーケティングマネージャー ラファウンテン美奈さん

▲ 副社長のポールさんと打ち合わせ中。1杯のコーヒーに関わる人々のイラストを使った新パッケージには、チームの思いが込められています。

 

 
*情報は2019年11月現在のものです