シアトルやポートランドで活躍する方々に人生の転機についてインタビュー
■ ポートランド在住の日本人はもとより、ポートランダーからも人気の日本人ネイルアーティスト、Fumiさん。日本のネイル技術を広めるべく、日々奮闘するFumiさんに転機を伺いました。(2014年12月)
静岡県生まれ。2002年、オーストラリアでネイルと出会う。05年、日本ネイリスト検定1級に合格し、ネイリストとなる。11年、結婚を機にポートランドへ移住。13年、オレゴン州で資格を取得。同年秋より、Venus Allure Salon and Spa で勤務開始。 ◎Facebook:Fumi’s Nail Art ◎Instagram.com/
FumisNailArt
短大卒業後、横浜のデパートで働いていました。当時、友達とオーストラリアへ旅行した際、多くのワーキングホリデーで滞在する人に出会ったんです。それまで特にやりたいことを見つけられずにいた私が初めて、海外で自由に生活する同世代の日本人を見て、自分も挑戦してみたいと気持ちを動かされました。
2年後、ワーキングホリデーで再びオーストラリアへ。現地で髪を切ってお小遣いを稼ぐ日本人美容師を見て、道具さえあれば身一つでどこでもできる仕事って素敵だなと思いました。手に職を持ち、海外で働く彼らがとても格好良く見えましたね。
そんなある日、ホステルの前に人だかりを発見。日本人が外でネイルをやってあげていたんです。爪に小さなお花のアートを描いていたのですが、それを見て、元々細かい絵を描くことや手作業が好きだった私は、自分にもできそう!と感じました。ネイルも技術を身に付ければどこでもできるものだし、挑戦するならこれだ!と思ったんです。これが転機でしたね。早速、現地の美容学校で短期ネイルコースに通いました。基本を習っただけですが、初めての世界に興味津々でした。
その後、数カ月のアジア旅行を経て帰国。さて、これから働くなら何をしようと考えたとき、ネイルが頭に浮かびました。やりたいことを仕事にしたいって。そこで、エステサロンで働きながら、同社のネイルスクールで学ぶことにしました。05年、検定1級に合格し、晴れて日本でネイリストになりました。
– アメリカと日本の 違いへの戸惑い
11年、オレゴン州出身の夫と結婚し、ポートランドへ移住することに。アメリカにネイルの道具は持って来ていましたが、当初は仕事としてやっていくか迷っていました。移住して慣れるまでは余裕がなかったんです。ただ、迷いながらも、日本の材料がどこで手に入るのか調べたり、地元のサロンに行ってみたりと、情報収集をしながら、友達にネイルをしてあげていました。そのうちにだんだんとアメリカ生活にも慣れ、やはり仕事としてネイルをやっていきたいという気持ちが強くなり、州のライセンスを取ることを決意しました。
実は、こちらのネイルサロンに行ったとき、日本との違いにがっかりしたんですよ。施術に時間をかけず雑な所が多くて。ファストフード店みたいだなって。ネイルアートが浸透していないことにも驚きました。日本とアメリカとでは、技術レベルの違いや職業イメージの格差など、異なる部分がたくさんあり戸惑いましたね。
– 知ってもらいたい 日本の高い技術
州の試験に合格してライセンスを取得し、ポートランドのサロンに就職して1年と少し。ここでは、痛みが伴わない甘皮処理や、手描きで細かいネイルアートなど、日本では当たり前のことでも喜んでくれる方が多いんですよ。こうした施術のクオリティーの高さに加えて、ジェルの持ちの良さなど、アメリカとは違う日本のネイル技術を提供していきたいです。今までこんな風にネイルをしてもらったことないわ!と、お客様がとても嬉しそうな笑顔を見せてくださったときが、アメリカでネイルアーティストになって良かったと実感できる瞬間ですね。
▲ 小さなネイルアートでも心ウキウキ。そんな楽しさを多くの方に知ってもらいたい、とFumiさん
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