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日々の健康、知恵のツボ

日々の健康、知恵のツボ

 

第1回「 組織代謝を活発にするショウガ湿布」

 

ショウガ 季節の変わり目には、腹が痛い、腰が痛い、咳が止まらない、飲み過ぎで肝臓が疲れている、アレルギーで悩んでいる、薬を飲んでも効果なしという症状がひんぱんに出てきます。漢方、指圧、針灸の治療法が効果的ですが、専門家に頼らなければなりません。そこで、このコーナーでは自分で簡単にできる手当法、民間療法を紹介していきます。
ショウガ湿布は、腰痛、リュウマチ、婦人病、肩凝り、胃腸痛などに効きます。人間には生まれながらにして生体磁気や自然治癒力がありますので、それを引き出すための刺激として、また血液循環を助長する手段としてショウガを使います。体の細部まで温まると共に、痛みがびっくりするほど消えていき、呼吸も楽になります。また、よく眠れ、疲れが取れるでしょう。慣れれば作るのも簡単ですよ。

【ショウガ湿布の作り方】

1. ショウガ150グラム(約5オンス)をおろし金ですりおろし、それを木綿の袋に入れる(フードプロセッサーで代用してもいいが、効果は半減)。

2. 水を入れた鍋を火にかけ、沸騰する前(70℃くらい)に1を入れて1分ほど煮出し、ショウガ湯を作る。

3. タオルの両端を濡らさないようにして2に浸し、染み渡ったら両端の濡れていない部分を持ち、水分を10~15%くらい残して絞る。鍋が空いたら次のタオルを浸した状態で保温しておく。


4. 絞ったタオルを患部に当て(熱い時はタオルを叩くなどして温度調整を)、その上にビニールをおき、バスタオルや毛布などをかけ、体が冷えないようにする。


5. 2、3分後、タオルが冷えたら新しいものと交換し、これを7、8回(15~20分)繰り返す。
(注意:頭には使わない、ショウガ湿布の前後4、5時間は風呂に入らないこと)

昔からおばあちゃんの知恵として用いられてきましたが、現代医学では理解できない、人間に備わる自然治癒力を応用した治療法です。マクロビオティックの生活法を実践すると、ショウガ湿布の効果も上がるでしょう。人間というのはおろかなもので、わかっていてもなかなか実行しないものですが、実行すると、その良さを体で知ることができるはずです。

 

第2回「 夏の疲れを梅しょう番茶で解消!」

 

ショウガ 今年の夏、ノースウエストは歴史的な酷暑に見舞われましたが、みなさんはいかがお過ごしでしたか? 夏バテや、冷たいものの取り過ぎなど、蓄積された夏の疲れで胃や脾臓、肺、大腸などに負担が掛かっている人も多いと思います。今月は、内臓の機能を調整し、活力増進にもつながる「梅しょう番茶」を紹介します。  
梅干しの成分に含まれているクエン酸は血液を浄化、しょう油に含まれている酵素は胃腸を活性化、そして番茶には整腸を促す働きがあります。血行を促し、頭痛や二日酔いにも効果があるので、気力が充実すること間違いなしです。無気力な子供さんにも大人用を4、5倍に薄めたものを与えると、見違えるくらい元気が出てくるでしょう。家庭で簡単にできるので、ぜひお試しください。しょう油の量を加減し、自分好みの味付けにすると、さらにおいしくいただけます。

【梅しょう番茶の作り方】

1. 中くらいの梅干し1個を湯飲み茶碗に入れる。


2. 箸で種を取り、湯飲みに入れて突きながら練る。


3. しょう油大さじ1杯を?に加え、さらに練る。


4. ショウガのおろし汁を?に2滴入れて、熱い番茶を湯飲み八分目まで注ぎ、ひと混ぜしてから飲む。


梅としょう油は、ホール・フーズ(www.wholefoodsmarket.com)やPCCナチュラル・マーケット(www.pccnaturalmarkets.com)のマクロビ・セクションなどで販売しているものを私は使っています。梅はオーガニックで着色されていない日本産、しょう油も同じく日本産で、昔ながらの醸造技術で作られたたまりしょう油がベスト。日本では、ムソー食品やオーサワジャパンの商品も信用できるので、帰省の際など、機会があれば入手してみてください。

 

第3回「 咳止めにレンコン湯」

 

寒さも本番となったこの季節、風邪を引いてなかなか咳が止まらない、という方も増えているでしょう。今月は、そんな時によく効く「レンコン湯」を紹介します。

レンコンは蓮の地下茎で、秋~冬が旬。主成分は炭水化物で食物繊維もたくさん含んでいる、生命力の強い植物です。体力作りや虚弱体質の改善にも役立つので、体力に自信のない人は、毎日の食事に積極的に取り入れると良いでしょう。

またレンコンはビタミンCも豊富で、特に節の部分には、栄養素が詰まっていると言われています。でんぷん質が多いので、加熱しても相当量のビタミンCが残るのも、ほかの野菜より優れた部分でしょう。

【レンコン湯の作り方】

1. レンコンは、皮をむかずにすりおろす。


2. おろしたものを布に入れて絞り、30~40㏄の
おろし汁を作り、ショウガの汁を1、2滴加える。


3. 小さじ1杯のくず粉と小さじ1/2のしょう油
を2に入れ、よく練る。


4. 150 ㏄の熱湯を注いで、透明になるまで
よく混ぜる。これを1日2回服用。
※服用中は、果物や砂糖など甘みのある
ものは取らないこと。


レンコンには、心臓の働きを強化し血圧を調整する効果のほか、消化力や新陳代謝を活発にする働きもあります。英語名で「Lotus Root」 として販売されており、アジア系のスーパーマーケットで容易に入手することが可能です。形がふっくらとしていて肉厚のもの、節と節の間が太くてまっすぐなもの、切り口は白く穴が小さい物を選びましょう。手作りするのが面倒な場合は、The Kushi Store( www.kushistore.com)で販売しているDried Lotus Slices( 1.76oz、$7.49~)などを活用するのも良いでしょう。

 

最終回「豆腐湿布」

 

ショウガ 春に向かい寒暖差の激しいこの時期は、体調も乱れがちです。今回は解熱、頭痛、頭や首、肩、胸の痛みなどに効く、湿布の作り方をお教えします。

使用するのは豆腐。「豆腐なんかで何が治るか」と、見くびらないでください。私は35年以上豆腐湿布による効用を見てきました。私自身の経験でも、子供の風邪や流感の高熱を2、3時間の豆腐湿布で簡単に解熱できましたし、患者さんのひどい偏頭痛やスポーツでの足首のねんざによるはれにも十分効果がありました。用意する物は、木綿豆腐(半丁~1丁)、ショウガ(適量)、小麦粉
(適量)、すり鉢、すりこぎ、まな板2枚、薄い木綿のタオルかガーゼです。化学的には、熱を放出すると共に血液の
循環を良くして改善に向かうわけですが、これは、体の組織と豆腐の浸透圧反応による力が大きいと言われています。

【豆腐湿布の作り方】

1. 豆腐をまな板で挟み水を切る。


2. すり鉢で1を擦り、その約10%分のおろし
ショウガを加える。小麦粉を混ぜて粘りを出し、
耳たぶくらいの軟らかさにする。


3. タオルまたはガーゼの半分の面に2を1~
1.5センチくらいの厚さに伸ばし、折りたたむ。


4. 熱の場合は額に、ほかの症状の
場合はその患部に貼る。


たんぱく質が豊富な豆腐は、健康や美容に良い食材として重宝されていますが、このように食べるだけでなく治療にも使えます。市販の湿布薬を購入するより安価で済むのも利点です。高熱の場合は、熱が下がるまで、絶え間なくやるといいでしょう。取り替え時は症状によって違いますが、目安は酸っぱいにおいがしてきたころです。簡単にできるので、ぜひやってみてください。

■森 保夫
1978年にシアトルで森指圧クリニックを開業。大学やマッサージ・スクールなどで指圧講師として活躍するほか、日本伝統の食事を基にしたマクロビオティックを指導して、健康で楽しく生きるための生活法を実践する。
www.youmaga.com/seattleite/shindofuji/では過去の連載「身土不二」も閲覧可能。
Mori Shiatsu Clinic TEL: 206-464-0782 www.shiatsuyasuomori.com